2015.09.12 [ 歴史・祭・暮らし ]
竹細工の箍(たが)に 【井月さんのこころ131】
井月さんのこころ シリーズ その131
今週の写真は、後ほど井月さんの句に登場する「竹細工」です。一枚目は、京都落柿舎の井戸の釣瓶(つるべ)、2枚目は、百円ショップで買った「竹笊(ざる)」大小7枚セットです。
5日(土)午前9時から「箕輪町発足60周年記念式典」が箕輪町文化センターで開催され、出席させていただきました。未来を担う小中学生のメッセージ発表など箕輪町の夢と活気が感じられる式典で、祝辞を申し述べる機会を与えていただきました。要旨は、以下のとおりです。
箕輪町新町発足60周年記念式典あいさつ(要旨)
本日ここに箕輪町60周年記念式典が盛大に開催されるにあたり、一言お祝いを申し上げます。日頃、皆様方からいただいております、長野県政に対する暖かい御支援と御協力に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
また、ただいま記念功労者表彰をはじめとして、栄えある表彰を受けられました皆様方に、心からお祝いを申し上げます。今後とも、箕輪町の発展のため、それぞれの分野におかれまして、より一層の御活躍をされますよう御祈念申し上げます。
さて、本州のほぼ中央、伊那谷の北部に位置する箕輪町は、天竜川東西の河岸段丘に豊かな田園地帯が広がり、上伊那の水がめ箕輪ダムをはじめとして、町内の様々な場所で梅、桜、水芭蕉、赤そば、モミジなど、色とりどりの花々や木々を愛でることができるなど、豊かな自然に恵まれるとともに、精密加工技術を駆使した先端製造業などが多く立地している田園工業都市であり、自然環境と産業とが調和した活力あふれる、すばらしい町であります。
昭和30年に旧中箕輪町と旧箕輪村並びに旧東箕輪村が合併し、新しい町が発足して60年の歴史を刻んでまいりました。人生に例えれば還暦を迎えることになりますが、高度経済成長の右肩上がりの時代から低成長へ、そして人口減少社会へと大きな時代の移り変わりの中で、幾度もの自然災害をも克服しながら現在の箕輪町があり、県内の町では最も人口が多い町へと発展されました。
今日の箕輪町の発展がありますのは、町の発展のために尽くしてこられた先人の皆様方の御明察と白鳥町長さんをはじめ、町を愛する皆様方のたゆまない御努力の賜物であり、改めて心より敬意を表するものでございます。
また、箕輪町におかれましては、先進的なセーフコミュニティーなど住民の自主的活動や公民一体となった取組みが活発に行われてきており、今後のまちづくりの指針となる第5次振興計画の策定や、今般の「まち・ひと・しごと創生法」に基づく、人口ビジョン、町総合戦略の策定に当たっては「みのわ未来委員会」を設置し、町民の皆さんや有識者が一体となって未来の町のあるべき姿を検討されており、更には、近隣の自治体と「定住自立圏構想」に基づく連携を深めながら、将来にわたり安心して暮らせる魅力的な地域づくりを目指しておられます。
県としましても、町の自主性と自律性が十分に発揮され、地域の実情に即した行政サービス体制が構築されますよう、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
これまでも「地域発 元気づくり支援金」により、JR飯田線の活性化を図る事業や、町内の様々な分野における町民ナンバーワンを認定するイベント「みのわギネス」事業など、住民の皆様が協働して地域の元気を生み出す事業に支援を行ってきたところであり、こうした地域資源を生かし、守り、創るといった住民レベルの取組は、他の自治体の模範であり、今後のまちづくりの大きな原動力になるものと期待をしているところであります。
結びに、箕輪町が本日を契機として「人・地域が輝き 創造と活力あふれるまち 箕輪」として、更に発展されますよう ご祈念申し上げますとともに、町民の皆様、ご臨席の皆様方の益々の御健勝をご祈念申し上げまして、お祝いのあいさつとさせていただきます。
式典に引き続いて、中島恵理副知事による「住みたい町、住み続けたい町を考える」と題した記念講演会が開催されました。長野県版地方創生総合戦略の方向性などの解説に加え、富士見町神戸の「地元学から始まる地域の宝を生かした地域づくり」などを引き合いに、地域・コミュニティを「穴の開いたバケツ」に例えて「地域の宝の漏れを防げ」などと地方創生の具体的なアイデアを学べる公演内容でした。
同日午後は、第3回千両千両井月さんまつり のプレ企画『井月たちの幕末維新―その句と時代を読む―』シンポジウムと朗読劇『風狂のうたびと』の公演を観させていただきました。
シンポジウムでは、井上井月顕彰会の北村皆雄会長による司会で「井月さんを通して伊那の夜明け前である幕末維新を明らかにする」ねらいで、高木俊輔氏(国文学研究資料館名誉教授・元信州大学教授)、内田義雄氏(元NHKプロデューサー)、伊藤伊那男氏(俳人「銀漢」主宰)、竹入弘元氏(井月研究者・伊那市文化財審議委員長)によるパネルディスカッションが行われました。
高木俊輔先生による井月さんと島崎正樹(藤村の父・「夜明け前」の主人公・青山半蔵のモデル)との関連を整理した「幕末・明治期年表」は、日本史の出来事とともに解り易く整理されていて、大変参考になりました。
井上井月顕彰会会長 北村皆雄監督が書かれた『俳人井月――幕末維新風狂に死す』の「尊王と仏教」に登場する「井月の引かれていたのはそうした(水戸光圀の初期尊王思想のような)仏教に親しい尊王の考えではないだろうか。」という考察をも裏付けるものだろうと改めて思いました。遡回その110、その115に記したとおりです。
廃仏毀釈の嵐が吹き荒れる中で、そんな世の流れと距離を置き、行く雲、流れる水の如く、仏に親しさを感じながら自由に生きた「ほかいびと」の俳諧師、「井月さんのこころ」が見えてきます。
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