2016.03.26 [ 歴史・祭・暮らし ]
自灯明をこころに 【井月さんのこころ159】
井月さんのこころ シリーズ その159
24日(木)、伊那市みはらしファームの交流促進施設「やってみらっし」の竣工式が行なわれ、テープカットに加わり、祝辞を申し述べさせていただきました。
みはらしファームは、平成11年に直売所、レストラン、温泉施設「みはらしの湯」、宿泊施設「羽広荘」等を兼ね備えた収穫体験等ができる農業公園としてオープンしました。この度、懸案であった天候に左右されずに大人数(200人)収容可能な大型体験施設を、国の「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」を活用して整備し、来る4月1日にオープンすることになりました。
本格そば打ち、パン作り、昔ながらの豆腐作りなど、地元の食材を活用した多彩な体験メニューが用意されており、都市住民をはじめとする地域内外の消費者に食と農の魅力を発信する施設として大いに期待されます。
詳細については、こちら。http://miharashi-farm.com/
体験室の入口にウッドクラフト木棲舎 加納義晴氏の『根深葉茂』という木彫作品が掲げられています。「大きく美しい木は、根もたくさんの栄養を吸収して茂っている。」と。
年度末が近づき、先週15日に課長補佐級以下の、今週23日に課長級以上の職員の人事異動の内示がありました。
更に南へ旅立つ人、北へ帰る人・・・・
別れの寂しさの先には、必ずや出会いの喜びもあることでしょう。
地方事務所長室に掲げられている漢字の額があります。1984年7月に中国のお客様から頂戴したもののようです。ここにも『根深葉茂 萬古長青』とあります。
『二つのアルプスに抱かれて 紡ぐ 文化と産業 息づく いのちとくらし』をビジョンに掲げ、取り組んできた4年間でありました。種を蒔いて、芽が出て、根を張って、幹を伸ばし、枝や葉を広げ、と、いくつかは育てたと自負しながらも、花を咲かせ、実を結ぶところまでには、なかなか至らなかった、やり残したこともたくさんあります。
新しい顔ぶれで、新しい感覚で引き継いで欲しいと願っています。
春の暖かな陽が降り注いでいます。所長室の窓から二つのアルプスや天竜川の流れを眺められるのもあと僅かとなりました。3年余の「井月さんのこころ」について索引を作成しました。
『井月さんのこころ』索引 (い~な上伊那ブログ カテゴリー)
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/seigetsusan
前回その158や遡回その105において、正岡子規に対する批判的なことを書きましたが、井月さんが没したすぐ後に、俳句や短歌の革新・写生を唱えて、それを成し遂げた正岡子規の功績までも否定する意図は全くありません。
井月さんは詠みます。
礼言て出れば柳は青かりし 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
「礼言て」は、一宿一飯の恵みのお礼であろうか。屋内は、今のようにガラス窓でないから、暗い。辞して家を出た井月の眼に映じたものは、晴天に立って枝を広げる柳の青。「出れば柳は青かりし」この対象の把握は近代のもの。正岡子規が旧派を批判し、革新を唱えたのは明治二十五年。それ以前にこういう句を作った。
(柳・春)
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804