2017.01.19 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
~新野の雪祭り~南信州民俗芸能【2016冬】⑤
地域政策課のTKです。
南信州民俗芸能冬シリーズの第5弾は、1月14日~15日に開催された「新野の雪祭り」の様子をお伝えします。
「新野の雪祭り」は、凍てつく境内の庭で、夜を徹して行われる仮面の神々の舞であり、新しい年の豊年予祝の祭りです。古代芸能の原型をとどめる貴重な民俗芸能で、その唱えや舞の中に古代の祭りの神人交歓の情景を見ることができます。国の重要無形民俗文化財に指定されています。
雪祭り当日はこの冬一番の寒波が日本列島上空を覆うというバットコンディション。運転に注意しながら、会場の阿南町新野の伊豆神社に向かいます。
この写真は地元の方と待ち合わせた、「新野千石平道の駅」駐車場の様子です。雪まつりが行われる伊豆神社は、こから1Kmほど山道を登ることになります。神社近くにも駐車場がありますが、道が狭いうえに雪が積もっていると側溝等も確認できません。対向車が来たらバックする必要もありますですので、細心の注意が必要です。
神社に近くなり参道を歩いていると手水舎がありました。手を清めようと柄杓をとろうとしたらが凍りついていて、(さすが-10℃!)寒さを実感することが出来ました。
次の写真は参道(階段)を登り切り本殿前に到着した時の様子ですが、今年は雪がしっかり降っていましたので、まさに「雪まつり」らしいロケーションになっていました。
午後11時から神殿で「本殿の儀」と呼ばれる神事が始まります。この儀式は「修祓式」「伽藍神の祭り」「万歳楽」「御参宮・代参り」「中啓の舞(仏の舞)」「宣命」「順の舞」と1時間以上続きます。
雪まつり自体は様々な儀式が明るいうちから行われているのですが、進行は神様(舞い手)の具合により変わりますので、その場に行かないと、いつ・なにが始まるか解りません。地元の人はそのことが解っているのか、午後11時頃は見学者がちらほらいる程度でした。
日付が15日にかわって、午前1時半すぎに「お庭の儀」が始まりました。(見学者も境内いっぱいに増えています)
「庁屋」と呼ばれる神様のお面が収められた建物の壁を地元消防団員が「乱声(らんじょう)、乱声(らんじょう)」と叫び、丸太で壁を叩きながら神様を呼び出します。
消防団員はこのほかに松明や焚火から落ちてくる火の粉から見学者を守ったり、防火に関する事はもちろんその他さまざまな役割をお祭りの間おこなうそうです。頼もしい存在ですね。
燈明の火を載せた「宝船」により松明に点火されると、朝まで「お庭」(境内)で芸能が繰り広げられていきます。これが有名な、「幸法(サイホウ)」「茂登喜(モドキ)」「競馬(キョウマン)」等の舞いになります。
神殿に向かって左側にある「庁屋」は支度部屋なので、神事に参加する人たちが神様(舞い手)の準備を手伝ったり、次の出番を待ったりしています。(幸法だけは、神殿の中で着替えるそうです。)
「庁屋」の前で見学していたら、出番の合間に保存会の人たちからお話を聞くことが出来たので少し紹介します。
「今までお祭りに参加していた息子がさ、転勤になって今年は来れないって言ってたんだけど、仕事の都合がついたみたいで、急遽戻ってきてさ、今、詰所でみんなと騒いでいるわ。役は無くても祭りになるとやっぱり一緒にいたいんだな(笑)」
「外国から来た人がさぁこの神事の「舞い」の事を「dance」と表現したんだけど、な~んか違うんだよなぁ、、踊りじゃないんだよね、、なんかいい表現(訳)ない?」
「今年は雪があってよかったが、足袋では指先の感覚がが無くなってしまいそうだ。(泣)」
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