「旬」の宅配便~佐久っと通信~ いつでも新鮮! 職員が見つけた佐久地域の「旬」の魅力をお届けします。 どうぞ、さくっと見てください。

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小海原の畑地かんがい幹線

農地整備課のS.Aです。担当しています、県営で行いました小海原への畑地かんがい(略して:「畑かん」)幹線管路の改修をご紹介したいと思います。
さて、この景色の山の斜面にある縦線2本は何でしょう?

これは小海町内の国道141号線(R141)を南に向かって、松原湖入口交差点付近で正面の山の斜面に見える景色で、斜面に設置されている送水鉄管です。
 上の写真で、道路正面(左側)が、今回ご紹介します小海原への「畑かん」幹線管路です。因みに右側が電力会社の発電用管路です。
道路正面を、もう少し近寄ってみますと、「畑かん」幹線管路はこう見えます。


(まだ芽吹きが浅く、見通しの良い時期に撮影しました。)


今年は例年に無く遅い4月21日の積雪後に撮った近景写真では、「畑かん」幹線管路が判りやすいと思います。山の斜面に管径φ300の鋳鉄管を約106m固定し露出配管してあります。スキーのジャンプ台のようですね。
最大勾配40度、平均勾配31度、60.03% で規模もジャンプ台の助走路(アプローチ)に似ています。

急傾斜配管を上部から見おろすと こんな景色で、はるか
北方に浅間山が見えます。
(融雪後の写真)
国道141号線、
JR線、千曲川
(黒が配管)

畑かんのパイプは一般に地中に埋めてありますが、この部分は維持管理・点検の容易性、斜面での施工の容易性等からこうした露出配管になりました。
国道141号線から斜面下に千曲川を挟んで、対岸を見ると、こちらの山の
斜面にも白く線が見えます。やはり「畑かん」幹線配管で、先ほどの配管が国道141号線・JR小海線の下を通過して、千曲川の上を渡り、対岸の山頂付近まで配管が上がっています。

この一連の配管は、逆サイフォンとも呼ばれる配管形状で、配管内の水の流れは、上流側から約190m下り、最低部で千曲川を渡り、対岸の山頂まで、また160m登ります。
逆サイフォンの最低部は通常使用での水圧は16kg/c㎡であり、上水道の一般的な水圧3kg/c㎡の5倍強もあります。
この対岸の山頂から向こう側は小海原の台地で、100ha強もの広い農地にかんがい用水を送水しています。 下の写真は小海原の台地上の受益農地です。


小海原の畑地かんがい管路の事業は、もともと昭和40年代に施工されました。
水の取り入れは隣接の南牧村内の八ヶ岳山麓「上人沢」から取水し、延々約10kmの管路で送水しています。
しかし、施工後40年近く経過し、老朽化による破損・被害等が増加し、災害防止の観点からも、今後の安全かつ安定した かんがい用水の通水のため、改修が計画されました。平成20年度から平成24年度までの5年間の事業期間で、破損や老朽化が顕著で改修が必要な部分について事業実施してきました。
下の写真は、上人沢のかんがい用水のカスケード方式への取入口の改修後です。標高は1610mです。(この取水口は新しい形式で学会の賞をいただきました)

工事は畑作収穫が済み通水完了後の、秋~冬~春に配管工事をし、毎年 春の通水には改修後の管路に通水して畑地かんがいに使用します。

松原湖付近の道路内も通過します。
新緑の松原湖の様子です。 

配管工事後の通水試験も完了し、本格的に水使用が始まっています。下の写真は農業用雑用水の給水栓で、作物の給水・消毒用水等の営農用水に使用します。

この事業で、特に老朽化して破損等のある箇所は改修できました。通水確認後の営農用水、消毒用水利用の雑用水立ち上がりからタンクへ注水している様子です。かんがい施設改修により、維持管理の経費節減、安定した用水確保で作物品質向上と営農効率の向上が図られて農家の方に大変よろこばれています。

畑地かんがい散水

 もうすぐ、おいしい小海産の野菜が皆さんのお目にかかれることと思います。
            

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