2013.02.26 [ わたしたちの仕事 ]
野菜王国!川上村の畑地かんがい
はじめまして。農地整備課、川上村高原野菜畑担当です!
(^-^*)/
川上村では、冷涼な気候と千曲川源流の清らかな水を生かして高品質なレタスやハクサイなどの高原野菜が生産されています。
↑夏の高原野菜畑です
ところで上の写真のように畑に水をまいているところを見たことがありませんか?
普通、畑での野菜作りは天からの「雨水」にたよっています。ところが日照りが続いたりして畑に雨が降らないと、植え付けもできませんし、せっかく植えた野菜の苗も枯れてしまい出荷できなくなって、結果農家の収入が不安定になってしまうことになります。
そこで、各畑まで水道と同じようにパイプラインを引いてきて、バルブさえ開ければ必要なときに必要なだけスプリンクラーから畑に水がまけるようにする施設を「畑地かんがい施設(通称:畑かん)」と言います。
畑かん施設があると、天候に左右されず安定的な植え付けから生育までが管理できるようになって、計画的な出荷もできますし、農産物の品質も上がって、結果として農家の収入を向上させることができるようになります。
畑かん施設が整備されていない畑では、水をまくたびに水源までトラクターで水汲みに行っていましたが、積める量も限られていますし、何といっても畑が大きいので、農家の皆さんは大変御苦労をされていました。ところが、畑かん施設が整備されますと、スプリンクラーを畑に設置して、あとは栓をひねるだけで畑に水がまけるようになりますから農家の皆さんの作業はだいぶ楽になると思います。またスプリンクラーは水の力で自動的に回りますからいちいち水の向きを変えなくても畑にまんべんなく水がとどきます。
←給水栓
↓スプリンクラー
川上村では昭和の年代から畑かん施設の設置を進めてきましたが、現在未整備なところが残っている「原」地区で平成23年度から農林水産省の補助を受けて、県の仕事として畑かんの工事を進めています。当然各農家の皆さんからも事業費の一部をご負担していただいています。この原地区で畑かんが整備されますと、川上村のほぼ全村が整備済みになり、村全体としての生産性が更に向上することが期待されています。
原地区の畑かんの用水は沢水を利用しますので、落ち葉などがパイプにつまらないように最新式の「河床式除じん施設」を長野県で初めて設置して自動的にゴミ取りができるよう工夫しています。(写真は他地区のものです。)↓
ただ、工事には大変なところがあります。一番工事のしやすい春から秋の間は畑で野菜を作っていますから、当然工事ができるのは冬の期間に限られます。ご存じのとおり川上村は標高1,100m以上ありますので、工事をしている冬場は氷点下10度でも「暖かいね!」と感じるくらい厳寒の地で、地面も1m以上凍ってしまいます。その中で実際に工事をしている作業員の方も大変ですが、現場の監督をしている私たちも厚着して寒さと戦いながら仕事をしています。さらに春先の植え付けまでには工事を終わらせないと農家の方に迷惑をかけてしまいますので、絶対に工事を遅らせる訳にはいきません。
ちなみに原地区だけでも、畑や道路の下に100キロメートルものパイプを設置する計画になっていますから、とても大規模な工事です。
でも、地元の農家の方とお話していても、畑かん施設が自分の畑に整備されることへの期待を肌で感じていますので、寒さに負けず現場を駆け回っています。
原地区の面積はディズニーランドとディズニーシーを合わせた面積の約2.5倍もある245haありますから、地区全体に畑かん施設を整備するにはまだ3~4年はかかる予定ですが、農家の皆さんの期待に応えるために地方事務所では精力的に工事を進めていく予定です。
皆さんも畑でスプリンクラーが回っているところを見たら、この畑の下にはたくさんのパイプが通っていて、おいしい野菜作りを支えているんだなって思ってくださいね。
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