林務課では仕事で山の図面を確認します。
そして最近では、GIS(地理情報システム)というソフトでパソコンから見ることがあります。
また、ここ15年ほどの間に、立体図を活用することも多くなってきました。
特に、火山の地形は、マグマが固まった生々しい状況を見ることができるので、興味深いものがあります。
▲浅間山の眺望(2022年4月、御代田町西屋敷地籍から撮影)
浅間山の東側(向かって右側)の稜線に独特のふくらみがみられる。
そこで今回は、浅間山などの火山をフリーソフトのGIS(QGIS)で見てみたいと思います。
なお、この内容は林務課の一係員がウエブで公開されているデータを重ね合わせてみた作業内容と感想を書くものですので、参考にとどめていただければ、と思います。
《作業内容》
インターネットに接続したパソコンを使って、次の作業をしました。
①QGISというソフトをパソコンにダウンロードしました。
なお、「QGIS」は、米軍のGISとドイツのゲッチンゲン大学の地理学教室で開発されたGISを統合したもので、フリーソフトとして世界中で使われているGISです。
②インターネットに接続し、QGISが常に国土地理院の地図(地理院地図;標準地図)を読み込みながら動くようにしました。(国土交通省のQGIS操作マニュアルによる。)
③「G空間情報センター」で公開されている赤色立体地図(©アジア航測株式会社)の図面データをダウンロードしてQGISで読み込み、②の標準地図と重ね合わせてみることができるようにしました。
《作業の結果》
その作業の結果は、次のとおりです。
(上の写真の拡大)
▲浅間山の東側付近にあるマグマが流れ出した地形。
(国土地理院の地図と赤色立体地図©を合成したところ。)
地形図と立体図をあわせてみることで、とても雄大な浅間山の姿をみることができたのではないでしょうか。
また、近年(2003年)、気象庁は、蓼科山の南にある横岳(北横岳)を新たに活火山に指定しました。
北横岳の状況は次のとおりです。
(上の写真の拡大)
▲北横岳周辺のマグマが流れ出して固まった状況
北横岳は佐久穂町と茅野市の境にある山ですが、どちらの方向にもマグマが流れ出しているようです。とてもリアルに見ることができます。
なお、最近の研究で、北横岳の最新の噴火はおよそ700年~900年前(西暦1100~1300年ころ)とのことです。
これは平安時代後期から鎌倉時代にかけてのことです。
これらの図面はインターネットに接続されたパソコンを使ってマニュアル(国土地理院のマニュアル)の手順で作業すれば見ることができます。
以上、佐久地域の火山の生々しい地形の紹介でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
■参考・引用文献(いずれも2022年5月10日閲覧)
・気象庁ホームページ「浅間山」
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/306_Asamayama/306_index.html
・気象庁ホームページ「北横岳」
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/334_Yokodake/334_index.html
・G空間情報センター ホームページ
https://front.geospatial.jp/
・自分の環境にあったQGISのダウンロード
https://qgis.org/ja/site/forusers/download.html
・赤色立体地図_20_長野県(アジア航測株式会社)、G空間情報センター
https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/red20
・QGIS操作マニュアル – 国土交通省ホームページ
https://nlftp.mlit.go.jp › ksj › other › QGIS_manual
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