林務課のSです。
毎年春になると野焼きや山に入る人のタバコの不始末などで山火事が発生することがあります。
山火事は燃え広がると大きな被害になることから、山火事を防ぐことは、昔から地域の大きな関心ごとのひとつでした。
今回は、100年以上前に山火事防止の取り組みをどのようにしていたのか、佐久市内に保管されている古文書を読み解きながら紹介したいと思います。
100年以上前となると、消防車(ポンプ車)もありません。防災無線もありませんし、119番で通報するための電話もあまり普及していません。地域で山火事を防ぐためにどのようなことをしたのでしょうか???
▲大正時代の1917年に旧青沼村(現 佐久市)が作成した村有林を管理するためのきまりごと
(佐久市臼田支所保管)
佐久市の臼田支所には、大正時代(1917年)に旧青沼村でつくった森林を管理するためのきまりごとの文書が保管されています。
この文書を今ブログを見ている皆さんが直接読めるように、書き写してみました。
■管理規程(ダウンロード PDF)
大正時代に旧青沼村(現 佐久市)が作成した村有林の管理規程
これによると、
①村民が村有林野を愛護すること。
②山火事のおそれがある場合には、村役場や警察官にただちに通報するとともに、警鐘(かね)を鳴らして村全体に知らせ、消火活動をするべきであること。
③火災を知らせたものには金銭(50銭以上3円以下)をおくること。
などが定められています。
なお、大正時代の物価は現在(令和時代)と比べ約1000分の1だそうですので、
火災を知らせたものは現在の金額で500円から3,000円くらいをもらえる、ということになりますね。当時は、村民をあげて山火事の防止に取り組んでいたことがわかります。
現在、佐久地域振興局では「春の山火事予防運動」として、ポスターの掲示やのぼり旗の設置、有線放送での広報、パトロールなどを実施しています。(3月1日から5月31日まで)
▲佐久合同庁舎 敷地内の山火事への注意喚起の状況(2022年4月撮影)
一度火災の発生した森林を元通りに再生するまでには、多くの時間と労力が必要となります。
万が一、火災が発生しているのを見つけた場合は、身の安全を確保したうえで、ただちに119番に通報してください。
貴重な森林を山火事から守るために、皆さまの御協力をお願いいたします。
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