ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:信濃町 黒姫山の冬)

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長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:信濃町 黒姫山の冬)

施設の維持管理の課題について

最近では、県道や市町村道でも橋梁やトンネルを片側通行にして点検する光景を目にすることが当たり前になってきました。
我が国の施設(社会資本)は、戦後の高度成長期以降、急激に建設され、蓄積されてきたといわれています。これらの施設の多くは、今後集中的に老朽化することが予想され、それらを補修したり、更新したりする費用がうんと増えることが心配されています。
一方で、厳しい財政的な制約の中で(予算が無い中で)、社会資本の維持、管理を行わなければならない状況にあります。
そこで今回は、
① 最近の施設の維持管理にかかわる建設業の動向について国土交通省のホームページなどにリンクさせて紹介し、
② あわせて林務課で取り組んだ実際の工事の取り組みを写真で紹介します。

《① 施設の維持管理の課題と長寿命化対策について》
平成24年(2012年)12月2日、中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故が発生しました。この事故の死者は9人。高速道路でおきた事故の中で死者数が最多の事故でした。
笹子トンネル天井板落下事故 – Wikipedia

このような悲惨な事故を二度と起こさないよう、平成25年(2013年)11月29日には政府全体の取り組みとして、幅広い各種インフラを対象とした「インフラ長寿命化基本計画」が取りまとめられました。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/sosei_point_mn_000010.html

また、国土交通省ではこの基本計画に基づき、国交省が管理するあらゆるインフラの維持管理を着実に推進するため、平成26年(2014年)5月21日に「国土交通省インフラ長寿命化計画」を策定し公表しました。
https://www.mlit.go.jp/common/001040665.pdf
(令和4年2月現在、2期目に入っています。)

これに基づき、点検や診断、修繕はもとより施設の更新や新技術の開発・導入など施設の維持管理を着実に実施して長く大事にインフラを使い続ける取り組みがなされています。

(なお、詳細や優良事例などについては、「社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト」(国交省ホームページ)に掲載されています。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/index.html

《②林務課で取り組んだ工事の事例》
林務課で取り組んだ事例の一つを紹介します。
以前の山崩れで荒れた沢を復旧するため、現地調査をしました。
沢の上流に古いえん堤がありました。


▲山崩れで荒れた山林内の沢の状況(2019年4月撮影)
(長野市芋井地籍、千曲川上流、犀川・裾花川支流、達橋沢(たっぱしさわ))

えん堤にちかづいて見ると(目で見て確認すると)、写真で向かって左側が山崩れで大きくえぐられていることがわかりました。
なお、えん堤は古い石積みで、水が流れている付近の石積みは、おおきく壊れているところが見られなかったことから、「えぐれている場所をうまく補修できさえすれば」、このえん堤は将来にわたって長く使えるのではないか、と判断しました。
ただし、作業員の方の安全を考え、えぐれているところの付近で「作業員の方の立ち入りを最小限にする」工事にしたいと考えました。


▲古い石積みのえん堤が山崩れによりこわれかかっていた。(2019年4月撮影)

長野地域振興局管内(高山村)にはアスザック株式会社様という、コンクリートの製品(U字溝や各種ブロックなど)を取り扱う会社があります。
この会社で製造している「箱型ようへき」という製品を外側から組みながら、中にコンクリートを入れて固めればよいのではないか、製品の模型を使って検討できないかと相談したところ、次の写真のように検討していただきました。

 
▲「箱型ようへき」の模型による検討(高山村 アスザック株式会社様提供)
(2019年6月撮影)

こうしてまずはこわれかけたえん堤の寿命を延ばすための補修を第一にして工事をしていただきました。
また、工事の途中で「指導監査」という制度により、「北信会計センター」の検査員(技術職員)に立ち会っていただきました。検査員からは工事についてアドバイスをいただき、参考にさせていただきました。

 


▲施工中の状況
(2019年11月撮影)

出来上がりの状況です。
このようにして、たくさんの関係者の皆様に助けていただきながら、工事を完成できました。古いえん堤の寿命をのばしながら、下流の山崩れや荒れた沢を復旧し、治すことができたと考えています。

 

▲古い石積みのえん堤の寿命をのばしながら護岸を施工した状況
(完成状況、2020年1月撮影)

このような工事を行い、事例として蓄積させることが、先人がのこした既存の施設をうまく活用し、将来にわたって長持ちさせるための一つの手がかりになるのではないかと考えます。
今回も最後まで御覧いただきありがとうございました。

■参考・引用文献
・国土交通省ホームページ(上記リンク、2022年3月1日閲覧)
・橋梁経年分布図、国土交通省国土技術政策総合研究所「平成25年度道路構造物に関する基本データ集」
・『監理技術者必携 2019年度版 監理技術者講習テキスト』全国建設研修センター、2019
・長野県 建設工事指導監査要領
https://www.pref.nagano.lg.jp/kensa/kensei/nyusatsu/kensa/yoko.html
(2022年3月1日閲覧)

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