林務課のSです。
10月7日に戸隠森林植物園へ行ってきました。
その際、まわりの風景を見て、深まる秋を感じることができましたので報告します。
▲戸隠森林植物園から戸隠連峰をのぞむ。
戸隠森林植物園内の施設「八十二森のまなびや(戸隠森林学習館)」の前に石碑があります。
▲戸隠植物園内の御製碑。「ゆもとまゆみは あかくみのれり」などの文字が読み取れます。
これは昭和天皇の御製碑(ぎょせいひ)です。
「御製(ぎょせい)」とは天皇が詠まれた短歌のことをいいます。
「御製碑」とは天皇が詠まれた短歌を書いた石碑のことをいいます。
昭和53年(1978年)、長野県内でおこなわれた国民体育大会(やまびこ国体)に御臨席されるため、昭和天皇は長野県内を訪問されました。
その際、戸隠森林植物園で散策を楽しまれました。
▲御製碑の裏面の一部。「お楽しみに」「御散策になり」などの文字が読み取れます。
やまびこ国体についてはこちらをご覧ください。
「やまびこ国体とは」長野県教育委員会ホームページ
(2021年10月14日閲覧)
石碑の内容は次のとおりです。
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戸隠森林植物園 御製碑 碑文
(表面)
御製
秋ふけて 緑すくなき森の中 ゆもとまゆみは あかくみのれり
長野県知事 西沢権一郎 書
(裏面)
御製によせて
第三十三回国民体育大会に御臨席のため錦秋の信濃路を訪れた天皇陛下は昭和五十三年十月十四日 ことのほかお楽しみにしておられたこの園内を御散策になり、一時間三十分にわたり、ふりしきる落葉の中を御満喫になってお名残惜しそうにお帰りになりました。
この御製は園内に自生する「ゆもとまゆみ」を織り込まれお詠みになったものです。
昭和五十四年十月十四日 長野県
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なお、「あかくみのれり」は雅語(古語)で「赤く実っている」という状態を描写した表現です。(「り」は状態を表すラ行変格活用の助動詞。)
石碑の近くに赤い実がなった樹木が点在していました。
▲八十二森のまなびやの前にある植え込み
近寄って見るとユモトマユミの実がみのっていました。
▲ユモトマユミの赤い実
▲植物園の木の名札(ユモトマユミ)
その様子はこんな感じです。
▲ユモトマユミの赤い実(拡大)
この実の赤色を見てください。
光沢のあるとても鮮やかな赤色で、植物ではないみたいです。
近くの花壇にはマツムシソウも咲いていました。
▲マツムシソウの花
▲園内の花壇
園内では何人かのカメラを持ったり登山靴をはいたりした方とすれちがいました。
少し歩くだけで、こんなにきれいな花や実をつけた植物に出会うことができたので、あらためてこの植物園が皆様に親しまれていることを実感し、今後もこのような豊かで貴重な自然環境が守られていくことを願いながら山を下りました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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