友人の言葉に背中を押され、一念発起して会社員を辞めて実家に帰りました。
早速、岐阜県高山市の職人養成学校に入学し、3か月間、住み込みで陶芸に没頭する生活が始まりました。
意気揚々と臨んだ学校生活でしたが、現実は甘くありません。
道具を作ることから授業が始まりましたが、簡単にはできません。ほかの人たちが当たり前にできることができず、常に課題を持ち帰って補習せざるを得ない状況に追い込まれました。遅れずについていくのがやっとの毎日に、心が折れそうになることもありました。
自信を失いかけていた頃、高山市内で雪祭りが開催され、先生と友人の3人で雪像作品を出品しました。優勝賞金を狙って、穴窯の窯たき職人を表現した作品を制作したところ、好評を博し、本当に優勝してしまいました。
専門学校時代には数々の作品を出品しても一度も入選できなかったのですが、このことがきっかけになり、「やればできるかも知れない。」と、手応えを得ました。
その後、お母さんが運営する陶芸教室に、退職したお父さんも後に加わるようになり、家族全員で教室の運営をするようになりました。陶芸一家の誕生です。
昼間は教室で教え、夕方から自身の創作時間に充て、ふと気付けば窓の外は白々と明けているー。
そんな陶芸一色の毎日が数年間続きました。
丸山さんは、陶芸教室での授業と並行して「アーティスト・イン・レジデンス」とよばれる滞在型の陶磁器制作スタジオでの制作を始めました。信楽(しがらき)焼の情報発信と人材育成等を目的に開設された滋賀県立「陶芸の森」で、半年間単位で制作に没頭しつつ、出来上がった作品を世に出す生活を数年間、続けました。
実力を付けていく過程で数々の個展を出すようになり、2004年には県展に入選し、2008年には四日市萬古陶磁器コンペで優秀賞、Fuji国際ビエンナーレ2008に入選するなど、着々と実績を積み、さらに、ロンドンやニューヨークなど、海外でも制作活動に励むようになりました。
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