そんな陶芸漬けの毎日に、ある日、転機が訪れました。
丸山さんはニューヨークの制作スタジオに初めて向かう時、道に迷いました。
たまたま、路上でスマートフォンを操っていた米国人男性がいたため、地図アプリで道を教えてもらおうと声をかけました。
それが、現在の夫・Kenneth(ケネス ※愛称ケン)さんです。
ニューヨーク滞在中の3か月間、毎日のように一緒に昼食を取る間柄となり、丸山さんが帰国すると、1か月後にケンさんも後を追って来日。一路順風に結婚することとなり、子宝にも恵まれました。家庭内は日本語と英語が飛び交い、文化の違いに戸惑いながらも、楽しく毎日を過ごしています。
ケンさんが長野に来て娘が誕生してから、丸山さんの生活は激変しました。
教室の仕事終了後、午後8時から翌日午前2時を自身の制作に充て、展示会前には朝方まで没頭して、ときには徹夜になってしまう生活が、現在では、夜に娘を寝かしつけ、気付くと一緒に朝を迎える朝方生活に変わりました。
健康的な生活や食べ物大切にして、興味が持てるようになったのは娘のお蔭だといいます。
日本では、近年、育児に協力する良き夫のことを『イクメン』と表現されますが、子育て世代の両親が同じように仕事をしているアメリカでは、子育ても夫婦が折半することは当たり前で、ケンさんは「『イクメン』て何?どういうこと?」と、日本の現状に大変驚いたといいます。
土日に陶芸の仕事に出てしまうことが多い丸山さんに代わり、ケンさんは留守中に長女と朝飯と昼食も一緒に食べて、昼寝の寝かしつけ等の育児を当たり前に担ってくれるので、丸山さんは、心置きなく仕事に打ち込めることに心から感謝しています。
長女の出産に伴い、必然的に自身の創作活動を小休止している丸山さんは、仕事、育児及び家事に奮闘する間を縫って、浮かんだアイデアをメモにして蓄積し、本格的に創作を再開する時に備えています。
陶芸の魅力について、丸山さんは「作品が完成しても満足することがない。ゴールが見えない奥深さがある。」と語ります。土に触れながら、創作に没頭する時間が待ち遠しくてなりません。
丸山さんにとっての桃源郷は、陶芸教室にあります。
※丸山さんのホームページは以下のアドレスから御覧ください。
http://www.narumimaruyama.com/profile
(長野地域振興局農政課 百瀬 幸良)
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