信州森林づくり応援ネットワーク

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伐倒訓練機を活用しています

林業総合センター指導部のぶらた森です。

昨年度、当センターでは、2種類の伐倒訓練用の機械を1台ずつ導入しました。
今年度から、この機械を用いた研修が本格的に進んでいます。

最初に導入したものは、以前のブログでも紹介した、平坦面に据え置き、丸太を固定して伐採練習をおこなうもの。

平坦な場所と言う限定条件は付きますが、丸太を固定できるので、実際に伐採した後で、正しく伐ることが出来ているのかどうかを復習しながら確認することができるようになりました。

もう一台は、平坦な状態だけでなく、傾斜状態でも使えるというもの。

実際に林業で木を伐る場合に、平坦な場所で伐ることは少なく、傾斜がある場所で伐ることが多いのが現状です。

平らなところとは異なる傾斜地での体の動きを理解して安全に伐採するためには、傾斜を付けた環境で行うことが望ましいのは間違いありません。この訓練機は、足元の面を油圧で上下させることで、傾斜面を設定することができるので、山の中で木を伐るときの動きを体感できます。

今回購入した2台の訓練機は、今年度の伐木造材の安全衛生講習でも使用することにしましたが、傾斜をつけた訓練機が1台しかないことや、限られた講習時間の中で多くの方を相手にしていることから、傾斜面での練習は行っていません。

実際には、基本動作を理解することだけにして平坦面での使用としています。

本格的に伐採技術を学び、安全な作業を意識させるとすれば、傾斜地での訓練は必要になると思います。

正確な伐倒作業を練習するとなれば、正確な動作を理解するだけでなく、実際に体を動かしながら自分の欠点を探し出し、欠点を修正しながら身体に覚え込ませていかなければいけません。こうした作業を行うためには、どう考えても反復練習が不可欠ですし、専属のコーチに教えを乞うことも必要になってくると思います。

とはいえ現在、私どもでは、伐木造材の安全衛生講習のような基本動作を理解する研修は実施していますが、経験豊富な方へのフォローアップ研修などは実施しておりません。

せっかく導入された機械を私たちの研修だけに使うのは、労災事故が多い林業の安全性向上にはつながらないことから、長野県内で林業に従事されている県が定めた事業体限定にはなりますが、有償で訓練機を貸し出すことにしました。

早速、この夏に県内の林業事業体から、新規従業員の安全教育のために、数日間訓練機を使用したいとの申し出がありました。当方では希望される全日程で付き添える講師がいないこと、訓練に使用する丸太が用意できないことなどをご理解いただき研修を行っていただきました。

今回講習を行った事業体では、訓練機を開発するとともに現地指導にもあたっている方を講師として独自にお招きし、自分たちが伐採している丸太を訓練用に持ち込んで、研修を企画されたようです。

実際に行われている姿を見せていただくと、2名の講師が伐採風景を撮影して、作業姿勢の確認を行い、正しい姿勢をどのようにとればよいのかを丁寧にお話しされるなど、個別指導で徹底的に確認しながら指導されていました。

今回、事業体では2名の新人さんを受講生として、4日間の講習を行っていました。

県や外郭団体が実施する講習料に比べれば、高価な講師料ですが、専属のコーチが朝から晩までみっちりと教えていただけること、一歩間違えれば、一人の命が失われる可能性が高いことを考えると、確かにその価値はあると感じました。

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