2011.06.16 [ 森林なるほど情報 ]
3D画像を災害対策に活用
サングラスのようなものを付けてパソコンを覗き込む面々。
一体何をしているのでしょうか?
これは、今話題の3D画像を確認するために、専用のメガネをかけてパソコンの画面を見ているのです。
「何のために?」といいますと、この3月に発生した長野県北部地震の際に、大規模な山腹崩壊が発生した栄村の「中条川」の被害対策を検討するためのものです。
この中条川の崩壊は、近年長野県で発生した山地災害の中でも類を見ない大規模なもので、沢には現在でも数十メートルもの厚さで土砂が堆積しているなど、予断を許さない状況です。
このため県では、学識経験者の専門的なご意見を踏まえて、警戒避難体制、対策工事計画等を検討しているところです。
この中条川の流域については、現在でも無人の重機をリモコンで操作して作業するなど、非常に危険な状態であり、人が簡単に現場に足を踏み入れることができません。
しかし、ヘリコプターなどから撮影した「空中写真」をパソコン上で鮮明に表示させることで、現地に行かずとも森林や崩壊地の状況を確認でき、安全に災害対策を検討することができます。
また、空中写真を「デジタル立体画像化処理」することで、パソコン画面上から現地の地形を取り出すことができるため、崩壊が発生する前の森林の地形と、崩壊後の森林の地形との差をパソコン上で解析することで、立体的にどの部分が崩壊したかを確認できるなど、崩壊土砂量の推定や、対策工事の計画を作成する際の強力なツールとなることが期待されます。
このように、最新の技術も活用しつつ、早期に下流集落のみなさまの安全・安心が確保できるよう、対策工事を実施してまいります。
◆第2回栄村中条川上流災害対策検討委員会の開催についてはこちら
https://blog.nagano-ken.jp/mori/press/803.html
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