2017.03.31 [ 林業総合センター ]
天然記念物の里帰り
長野県林業総合センターです。
長野県内で最も大きな樹木として知られているのが、根羽村にある「月瀬の大杉」です。樹高は40mですが、幹回りは14mに達し、長野県第1位というだけでなく、全国でも第6位という全国有数の巨木です。
これまでに何度となく、伐採の危機にありましたが。地元住民の手で大切に保護され、1800年ともいわれる年月を重ねてきました。
地元でも、このスギを観光資源として活かすとともに、保護することを目的として、平成27年に「月瀬の大杉公園」を整備しました。
この公園で平成29年3月19日に、第1回の「大杉公園植樹祭」が開催され、当センター所長も出席しました。
地元に愛されている巨木ですが、長年の風雪で枝が折損するなどの被害が出ることがあり、衰弱を心配する声がありました。こうした中で、2014年2月の大雪で、太い枝が折れてしまいました。幸い、スギの命に影響を及ぼすような被害にはなりませんでしたが、折れてしまった枝を活かして、1800年を生き抜いた月瀬の大杉が持っている長寿の遺伝子を受け継げないかとの相談が、当所に寄せられました。
そこで、センター育林部で枝の一部をいただき、さし木を試みました。
林業用に用いられるスギは、さし木で増やすこともありますが、さし木に向かない品種もあります。さらに樹齢が若いほどさし木での増殖がしやすく、高齢になるほど難しい傾向があるため、長寿であるだけに、さし木で増やすには不安もありましたが、発根率は低かったものの、下の写真にみられるようによい根が出てくれたものがあり、後継樹を育てることができました。
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