同じものをもう一皿頼みたい気持ちを押し殺すと、次の料理が来た。

きのこと甘栗のポタージュ。

まいたけにしめじ、ポルチーニ茸。そして甘栗。ペーストにしたそれらを白湯スープで伸ばして舞茸のフリットを浮かべたものである。

味付けは塩のみ。冷静を装ってシェフにここだけ話を聞けた。偉いぞ俺。

なのにそんなにガブガブ飲んじゃあもったいない、ああ濃厚。

瞬殺である。

タブリエ・ド・サブール（牛ハチノスのパン粉焼き）。

テーマがきのこに決まる前に面白そうなので注文した一品。フランスのマニアックな家庭料理だそう。

外はカリカリのフライ、中はすごい弾力の牛の胃袋。冷たい卵のグリビッシュソースが乗っている。

スープ以外は分けることを想定しているのだろうか、一品一品が偉大なるボリュームで提供される。

かつてこれらが全部一人前と思って食っていた自分は異常だったのか。

左シェフ、右ソムリエ。二人体制のこのお店。

ワイン。この写真は赤。

ソムリエのお姉さんが産地・味・香り・ボディ（コクや厚み、重み、渋味、力強さ）全て異なる複数種類を好みに合わせて案内してくれる。

メイン。

鹿児島産黒毛和牛ヒレ肉のロースト、トリュフソース。

付け合わせも異常に凝っている。

中央のジャガイモのフライは薄く切って重ねているため、断面がミルフィーユ状の層になっている。

そして焼き野菜。

特に玉ねぎがうまい。この店の玉ねぎは芯まで柔らかの甘々である。