2024.08.08 [ 林務課 ]
転がる巨石 ~安曇野市穂高の治山工事~
こんにちは、林務課のMomoといいます。
今回も治山工事の紹介をしたいと思います。
平成30年4月に安曇野市穂高で長さ4m、幅3m、高さ1.5mの巨大な転石(推定重量40~50t)が落下し、人家裏約15m手前まで迫る災害が発生しました。
落石が発生した区域の地質は花崗岩質です。
花崗岩とは、地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まった深成岩の一つです。この特徴として亀裂沿いに風化が進み、「コアストーン」と呼ばれる未風化部と、「風化マサ」と呼ばれる風花して砂状になってしまった部分が混在した地質となっています。
落石発生原の山林地表には未風化部の「コアストーン」が点在しており、非常に硬く、中には延長10m を超える巨礫も存在します。
岩の節理(割れ目)に植物の根が侵入し、割れ目を広げ、再び落下する危険性もあるため、治山事業により落石対策工事を実施しました。
この工事では、鉄線のワイヤーロープにより巨石の周りを包み、地面にアンカーを打ち込み固定させ落下を防止する工法を採用しました。
工事現場は急斜面であり、平地から水平距離で約200mほど離れています。
そのため工事資材の運搬、作業員の人員運搬のためモノレールを設置しました。
現場監督時にもモノレールを利用させてもらい、急斜面を上がったり、下ったりします。
(早歩きくらいのスピードですが、下りは結構怖いですよ。)
現在、巨石8個の対策工事を行い年内に完成する見込みになっています。
今年も酷暑で炎天下のもとで作業する方は大変ですが、熱中症や事故が起こらないよう完成していきたいです。
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