環境・廃棄物対策課のHです。
松本電鉄の新村駅から10分ほど周りを歩くと、「ものくさ太郎伝承地」というところがあります。
このおとぎ話をご存じですか?
「室町時代の御伽草子。 作者・成立年ともに未詳。 むかしむかし、信濃国の物くさ太郎という無類の不精者が、ある時都に上ったところ、急に真面目になって出世していくというお話。皇族の末で善光寺如来の申し子とわかり婿入りに成功し、帝にも認められた。死後はおたが(穂高)大明神となる。」とあります。
ユーモラスなお話の主人公は松本市新村の出身だったのですね。
驚くことに、ものくさ太郎は神となっていました。
単なるサクセスストーリーの話にもみえ、ものくさのすすめのようにもみえ、何か謎めいています。
ところで、ものくさ太郎は即興で和歌を作る才能があったとか。帝の前で一句・・・
鶯の ぬれたる声の 聞こゆるは 梅の花笠 もるや春雨 (物くさ太郎)
雅ですね。
この伝承地には洞沢今朝夫氏(日展友会 彫刻家)による彫刻像が、地域の住民の寄付により新村のものくさ太郎記念公園の中に建てられています。周囲には物くさ太郎が腰かけたという桜が、代替わりして今日まで続いているそうです。これから桜の時期を迎えますので、お花見コースに加えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ここには、民俗学者の折口信夫氏の石碑があり、歌が刻まれています。
いにしえに 物草太郎ありし後 ものくさびとの 一人もなし (釈迢空:折口信夫の別称)
ものくさの私としては引っかかる一句ですが、仕事はそれなりに働きますからね。
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