来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

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【伝統工芸紹介シリーズ⑦ ベラミ人形店】松本押絵雛(まつもとおしえびな)

商工観光課 伝統工芸品担当のSです。
管内の伝統工芸品やクラフト産業を不定期に紹介する第7弾は、松本市「べラミ人形店」三村ご夫妻に「松本押絵雛」について伺いました。
今年もひな祭りに合わせて「松本押絵雛」が市内で展示されているのを見かけます。松本には月遅れの4月3日にひな祭りを祝う風習が色濃く残っていますので、これからまだ見る機会があります。
「松本押絵雛」の特徴は流れるような美しい曲線と浮世絵風の面長な顔、平面でありながら立体感があることです。

 十五人揃い

ひな五人揃掛軸

押絵雛は江戸時代に武家の女性の習い事として始まりました。松本藩の殖産興業の一つとして奨励され、行商人によって「松本押絵雛」は各地に広がっていきました。明治の初めには松本の一大産業に成長しましたが、大正時代に生産量をあげるため粗製乱造されたことや、鉄道の発展により近代的なお雛様が流通してきたことで衰退していきました。そして明治末期に松本北深志の大火と呼ばれる火事があり、作り手が四散したことで致命的な打撃を受けました。

洋傘をさす女性(大正期)

一旦は途絶えた「松本押絵雛」ですが、「ベラミ人形店」現在の三村隆彦さんのご両親である隆重氏、和子さんのお二人が、博物館や民家に残る押絵雛を参考に松本押絵雛研究会を立ち上げて、その技術を復活させました。きっかけは隆重氏が押絵羽子板の修業をしていたことで「松本押絵雛」の修理を頼まれたことからだそうです。その後、息子の隆彦・修子ご夫妻に引き継がれていきました。古い作品から元絵を作り、分解図を起こしていきますが、時間がかかり根気のいる作業で、元絵の出来が押絵の良し悪しに影響してきます。

古い押絵雛(左)を参考に復刻させた作品(右) 

児雷也 左)復刻版  右)大正時代の押絵雛

「松本押絵雛」は浮世絵と同様に海外での評価が高く、日本人形の一つとしてコレクターの方が蒐集し、海外に作品が流失したこともあるようです。
ミシュラングリーンガイド「ベラミ人形店」が紹介されたことで、ヨーロッパからの旅行客が来店し、作品の購入が増えているそうです。
松本に昔から伝わる伝統文化の一つという認識でいましたが、実は日本を代表する人形の一つとして海外に紹介されていることに驚きを感じ、あらためて作品を見る機会をもとうと思っています。
「松本押絵雛」はひな祭りのお雛様やお内裏様以外にも、浮世絵を題材にしたものや歴史上の人物を題材にしたものなど様々です。

巴御前

奴 (江戸期)

道行(江戸期)

「ベラミ人形店」で「松本押絵雛」販売オーダーメイドの注文も出来ます。オーダーメイドは予約が立て込んでおり、長らくお待ち頂くことになりますことご承知おきください。自分で作ってみたい方には干支押絵など基礎的な講座を開催してますので、お問い合わせください。
他にも展示資料室「ひいなの家」には「七夕人形」「松本姉様人形」など暮らしの中に生きた人形にふれながら、城下町松本の独特な伝統工芸や風習を知ることができます。興味のある方はお気軽にお立ち寄りください

ベラミ人形店
〒390-0811 松本市中央3-7-23
TEL:0263‐33‐1314
営業時間: 10:00~18:00 水曜定休日、不定休あり
     

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