皆さんこんにちは。林務課のMです。
今回は、松本地域振興局林務課で行っている植栽試験について紹介します。
平成18年7月に起こった豪雨災害を契機に、長野県林務部では「災害に強い森林づくり指針」を掲げ治山事業を進めているところです。
治山事業は、土砂崩れ等によって崩れてしまった山を、構造物の設置や植栽により元の姿に戻し、被災前よりも大雨等の災害に強い山を作っていくことを目的としています。しかし、土砂崩れのあった場所は表土がないなど土壌条件が悪く、一般的な苗木を植えても思うように成長しないことが多く課題となっています。
そこで、治山事業地でも良好な生育が見込める苗木の開発の一環として、土壌条件や苗木の種類によってどれだけの成長の差がみられるのかについて、長野県林業総合センターや各地域振興局と協力しながら試験を行っています。
試験開始は令和2年度から、苗木がある程度成長するまで継続してデータを採取するため、試験完了まで10年前後かかると見込んでいます。
試験地造成の様子(令和2年撮影)
植栽の様子(令和3年撮影。ピンクテープが巻いてあります。)
苗木の成長量の測定(令和5年撮影)
今後も成長量の測定を行い、ある程度成長したところで木を根ごと掘り出して、幹の成長と根の成長の相関性を確認する予定となっています。
まだまだ時間のかかる試験のため、結果がわかるのは数年先になりますが、災害に適応する苗木の種類が分かれば、自然景観にも配慮した防災対策も考えられます。今後も各関係者と協力、調整を行いつつ試験を続けていきたいと考えています。
以上、林務課のMでした。閲覧ありがとうございました。
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