い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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初蝶舞う頃 【井月さんのこころ106】

井月さんのこころ シリーズ その106

 先週14日の信濃毎日新聞トップ記事で、富士見町坂上遺跡から出土した縄文時代中期(中期後葉:約4000~4500年前)の土偶を国の重要文化財に指定するよう文化審議会答申が出されたことが報道されました。既に国宝指定されている縄文のビーナス(茅野市棚畑遺跡出土:縄文中期)と仮面の女神(茅野市中ッ原遺跡出土:縄文後期)をつなぐ時期の土偶なのだそうです。

文化遺産オンライン情報から

 縄文のビーナス http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=198526

 仮面の女神 http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=136237

 上伊那管内にも縄文土器で重要文化財に指定されているものとして顔面付釣手形土器があります。

 顔面付釣手形土器 http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=158078#

  これは、伊那市富県御殿場遺跡から出土したもので、縄文のビーナスと同じ頃、縄文中期中葉(今から約4700年前)に作られた壷型の土器で、伊那市創造館に常設展示されています。

顔面付釣手形土器

 

http://www.inacity.jp/shisetsu/library_museum/inashisozokan/tenji_1/jyousetutenji.html

  18日に彼岸入りし、今日21日は「お中日」春分の日です。野には、オオイヌノフグリが可憐な花を咲かせ、 越冬したルリタテハやアカタテハなどのタテハ蝶が舞いはじめました。このルリタテハは、昨秋に撮影したものです。

DSC_1492 ルリタテハ001 

 

 17日(火)「森林の里親協定」の締結式が駒ヶ根市役所でありました。養命酒製造(株)さんが里親で、里子である駒ヶ根市さんの森林整備等に御協力いただけることになりました。

 前々回その104で伊那市西春近財産区の創立50周年式典の記事を書きましたが、西春近財産区所有林もある「物見や城」周辺の山中には養命酒の原料の一つである「クロモジ」がたくさん自生していて、一昨年、当所林務課で原料採取のお手伝いもさせていただきました。そんなことも縁となって今回の森林の里親協定の締結へと発展したのでした。

 この協定締結により駒ヶ根市さんの山にも「クロモジ」や「イカリソウ」など特用林産物を植えるなどして原料調達への協力や市民参加による新たな森林活用の輪が拡がっていくことを期待します。

 さて、彼岸の野山には初蝶が舞い始める時期です。井月さんが蝶を詠んだ句は、遡回その8で紹介しました。

2013年4月27日 ひらひらと「蝶」のように【井月さんのこころ8】 

https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/370.html

 その一句。

   初蝶と見る眼の冴る白さかな  井月

  この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 けだるい気分の井月、ふと眼前を威勢よく舞う蝶。緑の木々の前を飛ぶ白い色が目に鮮やか。今年初めて見かける。「初蝶と見る」で一旦切る。このリズムが実に新鮮で近代的。鋭い。

 井月は伊那の各地をさすらいながら心眼に映じた多くの光景を記録してくれた。

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