2013.04.27 [ 自然・山・花 ]
ひらひらと「蝶」のように【井月さんのこころ8】
井月さんのこころ シリーズ その8
杖を供に、のどかな春の伊那谷をさすらいながら、蝶々のようにひらひらと、勝手気侭に、あちらに止まり、こちらに泊まり。井月さんは何を思いながら旅していたのでしょうか。
初蝶と見る 眼の冴る白さかな 井月
蝶舞や外で糊(のり)する機(はた)の糸 井月
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
風来坊の井月は、晩年の日記を見ても分かるが、毎日相当の距離を歩いていたようだ。そんな旅に疲れ倦んだ井月の目の前にひらひら身軽に飛ぶ蝶。気を取り直した彼の軽い足取り。
思えば井月の毎日も蝶そのもの。蝶になった夢を見て、夢が本当の自分か、覚めた姿が本当の自分かと疑った昔人が偲ばれる。
(蝶・春)
歌手で版画家のジュディ・オング倩玉(せいぎょく)さんの木版画展が信州高遠美術館で開催されています。5月19日(日)まで、2005年「日展特選」受賞の「紅楼依緑(こうろういりょく)」など55点を展示中。
日本家屋や花を描いた多色刷りの作品が圧巻です。
「花にも“美人”がいる。」と、なるほど、菖蒲も椿も菊もカトレアも、一点一点が輝いています。
今年の高遠の桜は既に散りましたが、木版画展のポスターにも使われている「祇園白川」(2004年)のしだれ桜は満開です。
5か国語を操る多才な彼女が、眼の冴える初蝶のような白い衣装でミリオンセラーとなった「魅せられて」を歌ったのは、1979年(昭和54年)。
蝶の如(ごと)抱かれし夢見る花まつり
青巒
あれはちょうど、わたしが県へ就職した年のことでした。
思い出すのは、あの「Uh-Ah- 私の中でお眠りなさ~い」の甘いフレーズですね。
天下第一の桜の名所「高遠城址公園」の南側に伊那市「信州高遠美術館」があります。(地図)
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