2013.08.03 [ 歴史・祭・暮らし ]
雲の峰 湧き上がる頃【井月さんのこころ19】
井月さんのこころ シリーズ その19
大きな災害も無く、平年に比べて半月も早くに梅雨が明け、猛暑が続いたかと思えば、戻り梅雨のような空模様もあり、ともあれ夏本番を迎えました。
上伊那地域は、至るところ夏祭りで賑わっています。
伊那市の「第41回伊那まつり」が8月3日(土)4日(日)に開催されます。
「影か柳か勘太郎さんか・・・・・・・菊は栄える葵は枯れる・・」
そうです。「勘太郎月夜唄」に歌われる勘太郎さんと井月さんとは、同じ時代の人なのですね・・・。
ただし、勘太郎さんは残念ながら実在の人物ではないのだそうです。
昭和27年、大映が制作した長谷川一夫・音羽信子主演の映画「勘太郎月夜唄」の空前のヒットで、「伊那」を全国的に超有名にした「勘太郎さん」。
春日公園には「伊那の勘太郎碑」(石碑の揮毫は当時の大映社長、永田氏によるもの。)が残されています。
昭和33年9月14日、勘太郎碑の除幕式を行い、現在の「伊那まつり」の前身である「勘太郎まつり」の第1回が実施されたのだそうです。
写真:雲の峰
写真:伊那まつり 団扇
第41回伊那まつり情報
もくもくと湧き上がる入道雲。ぐんぐんと伸びる田畑の作物と雑草。
さて、井月さんが詠んだ「雲の峰」の句を紹介しましょう。
垢離取りて馬は帰るよ雲の峰 井月
泥くさき子供の髪や雲の峰 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
暑さもものかは、子供たちは魚取りだのなんだの思いつく限りの遊びに夢中になって一日が終わる。泥まみれ、汗まみれ。夏空に高山の峰のように高く聳える入道雲。「泥くさき髪」の健康な子供たち。 この把握に井月の非凡を見る。
中野市の石田正芳氏蔵の「高巣風雅帳」に若書きがあり、年代は知られる範囲で最も早期の嘉永年間、井月二十代後半とみられる。
(雲の峰・夏)
7月27日(土)は、近くの津島神社の祭礼でした。今年はわが隣組が「當屋(とうや)」でしたので、久しぶりに参加しました。祀られているのは、牛頭大王(ごずだいおう)こと八岐大蛇(やまたのおろち)退治で有名な「須佐之男命(すさのおのみこと)」。
信濃国二之宮矢彦神社の主神である「大已貴命(おおあなむちのみこと)」すなわち「大国主命」の親神様に当たります。
『古事記』では、大国主命は須佐之男命の6代後の子孫とされています。
写真:津島神社祭礼(辰野町小野)
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