い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

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雲の峰 湧き上がる頃【井月さんのこころ19】

 また、津島信仰は、暴れ神輿で有名な宮田村の津島神社など方々で「祇園祭」として行われていますね。
 7月20日(土)みやだ祇園祭にて
 写真:宮田村津島神社祇園祭・暴れ神輿(提供:宮田村観光協会)
  
 宵祭りには「あばれ神輿」が町内を巡り 最後に神社の石段から投げ落とされる。壊された神輿の木片を持ち帰り家の屋根におくと一家無病息災で過ごせると言う。宮田村無形民俗文化財に指定されている。

 さて、遡回(その16)(その18)の鯇(あめのうを)と合歓(ねむ)の花の更に続きです。

 松尾芭蕉が奥の細道で象潟を訪ねて詠んだ句に有名な合歓の花があります。
 そして、芭蕉に心酔していた井月さんもこれを詠んでいます。

 象潟や雨に西施が合歓の花  芭蕉
 (さきがたやあめにせいしがねむのはな)
 

 象潟の雨なはらしそ合歓の花  井月
 (さきがたのあめなはらしそねむのはな)

 象潟の雨は、女性的な景色の極みであり、芭蕉翁は、濡れそぼる合歓の花に絶世の美女「西施」が愁いに沈む姿を重ねているのですね。
 「松島は笑ふが如く、象潟はうらむが如し。寂しさに悲しみをくはえて、地勢 魂をなやますに似たり。」(奥の細道 元禄2年6月「象潟」から)

 そこで、「西施」について紐解けば・・・・
 時は春秋時代の中国、越王「勾踐(こうせん)」との戦いに敗れた父「闔閭(こうりょ)」の恨みを晴らすため臥薪(がしん)の末に富国強兵に努めた呉王「夫差(ふさ)」は、会稽山(かいけいざん)に越軍を追い込む。
 越国の名臣「文種(ぶんしょう)」の知略により呉王の臣下に下ることで命拾いをした越王「勾踐」は、その恥を晴らすべく嘗胆(しょうたん)して復讐の機会を伺う。
 呉王「夫差」は、越国の名臣「笵蠡(はんれい)」の策謀により絶世の美女「西施」を献上され、彼女に耽溺してしまい、国の乱れに乗じて呉国は滅ぼされてしまう。
 再び越国に取り戻された「西施」であったが、行く末を案じた名臣「笵蠡」によって水に沈めて暗殺されてしまったという。
 まさに傾国の美女「西施」の美しさゆえの悲劇であったとのことです。

 
 高校時代に「漢文」の授業で習った記憶がある「呉越同舟」「臥薪嘗胆」「会稽の恥」などの諺が生まれた紀元前5世紀の物語ですね。

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