2013.08.08 [ 歴史・祭・暮らし ]
涼しさ探し求めるように【井月さんのこころ20】
井月さんのこころ シリーズ その20
東日本大震災・福島原子力発電所の事故から3回目の夏を迎えました。
全国に51基(事故を起こした福島第一の6基のうち、廃止決定済み4基を除く。)の稼働中であった原子力発電所のうち、現在も稼動しているのは関西電力大飯発電所の2基のみとなっています。
事故の教訓から地震・津波などに対する安全基準が強化されるとともに、新たにシビアアクシデント(過酷事故)対策が求められることになりました。
これによる原子力発電所の新たな規制基準が7月8日施行されたのを受けて、現時点では、北海道、関西、四国、九州の4電力会社の6原発12基について、再稼動に向けた安全審査が原子力規制庁へ申請されているとのことです。
過日、中部電力の伊那営業所長さんが見えられ、この夏の電力需給見通しをお聞きしました。
今年(2013年)夏季の電力需給は、2010年夏季並みの猛暑となるリスクや直近の経済成長の伸び、企業や家庭における節電の定着などを織り込んだ上で、いずれの電力会社管内でも電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を確保できる見通しとのことです。
中部電力管内は、最大電力需要2,585万kwに対し供給力2,817万kwで予備率9.0%、予備率が最低の関西電力は3.0%とのことです。
ただし、中部電力管内でも浜岡原子力発電所の3基360万kwが津波対策等の工事により停止したままであり、7月から営業運転開始した上越火力発電所の2-1号機60万kwのほか高経年火力の運転継続などを見込んでの予備力とのことであり、他社エリアの状況等も考慮すると、引き続き予断を許さない状況のようです。
伊那合同庁舎でも、ランチシフトなど日中の需要ピークを緩和する節電対策に引き続き取り組んでまいりますので、御協力をお願いします。
写真:物見や城から東春近方面を望む
さて、クーラー冷房装置なんぞ無かった井月さんが活躍した時代。
ただただ暑い。歩くことが日課だった井月さんの難渋ぶりが目に浮かんできます。
出た雲にやくにも立たぬ暑さかな 井月
日も中は道はかどらぬ暑さかな 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
真夏の日中、太陽の日差しをまともに受けては、まいってしまう。木陰に一服、またとぼとぼ。「道はかどらぬ」に実感がこもる。
「気が合うて道はかどるや雲の峰 井月」 ところが、気の合ったお連れができると元気が出て道はかどり、夏の風景を楽しむ余裕も。入道雲はむくむくと、やがてそれは雷雲に。
(暑さ・夏)
写真:清流(養命酒駒ヶ根工場「健康の森」にて)
そして、涼を求めて、風を探し木陰を探し、水辺に佇んでいる井月さんの姿が目に浮かびます。
来る風を涼しくうける簾かな 井月
湧水の音すずしさや松の蔭 井月
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