2013.08.31 [ 歴史・祭・暮らし ]
七草咲く穂屋祭の頃【井月さんのこころ24】
井月さんのこころ シリーズ その24
酷暑・渇水の夏も先週末の雨で一息つくことができましたね。
いつの間にか秋風が涼しく吹き渡り、芒の穂がいっせいに靡く季節になりました。
秋の七草は、
萩、芒、葛、瞿麦(なでしこ)、姫部思(をみなへし) 、藤袴、 朝貌。
前々回(その22)の記事で「盆花」として載せたのは、「あおばな」、すなわち泡花とも呼ばれる黄色の「おみなえし」ですが、万葉集には14首ほど詠まれているのだそうです。
ただ、万葉集の原文表記には「女郎花」はないのだそうで、「娘子部四」「姫部思」「乎美奈弊之」などといった表記になっているとのことです。
萩や葛の花も紅紫色に咲き始めました。
写真:萩の花 8月27日 伊那部宿にて
写真:葛の花 8月27日 春日公園にて
朝顔の命は其日其日かな 井月
娘へし水よき里の育ちかな 井月
杖かしてやりたき萩の盛りかな 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
萩は潅木であるが、草に似て直立せず、花期には咲き垂れて地を掃く。そこで杖を貸してやりたいと。初秋のころ紅紫色の可憐な花を開き、中秋ころ散りこぼれる。「はぎの花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花 山上憶良」万葉集収録の、秋の野の七種の花を数え詠んだ歌。昔から親しまれた花。「ちり初てしきりに萩の盛かな 井月」
(萩・秋)
なお、この万葉集にでてくる「朝貌(あさがほ)」については、現代の朝顔のことではなくて、桔梗(ききょう)の花を指すのだそうです。
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