い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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七夕の頃【井月さんのこころ22】

井月さんのこころ シリーズ その22
 子供の頃、七夕は、夏休み中の8月7日に月遅れ(そういうものだと思い込んでいました。)で行っていました。
 近所の友達の家にある大きな笹竹を切って貰ってきて、短冊に願い事を書いて、折り紙で飾り物を切りぬいて、縁側の柱に立てた笹竹の葉にそれらを結び付けて、スイカなどのお供え物を飾って、夜を待ちました。
 8月7日の絵日記のテーマは、七夕飾りと線香花火に決まっていましたね。

 写真:線香花火



 7月7日では、梅雨の真っ最中なので「織姫さんと彦星くんが出会えなくなってしまうから。」と、母から聞かされて、「そんなものか。」と思っていました。

 実は、そうではないようです。
 旧暦で行われていた頃は、ちょうど現在の旧盆の頃が「七夕」に当たるのですね。ですから、「七夕」は秋の季語なのです。
 暦の上で今年は、迎え盆の8月13日(火)が七夕・旧暦7月7日に当たりました。

 写真:向日葵畑(辰野町小野雨沢)

 井月さんにも、そんな七夕の頃を詠んだ句があります。

 梶の葉や親のなき身の願ひ事   井月

 明ぼのをたよりに星の逢ふ夜かな   井月

 七夕の夜は常ならず夜這ひ星   井月

 以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 陰暦七月七日夜、棚機つ女が、来臨する神のため機を織る伝承があり、これに中国の乞巧奠が習合して、星祭が行なわれ、女子が機織りの上達を願う。
 またこの夜彦星と織姫星が年に一度相会うという話から万葉集以来盛んに詩歌に詠まれた。その伝承を心に大空を見上げると、星が満天に輝き、流れ星がすーっとよぎった。夜這ひ星は流れ星のこと。ここは意識的に使った。
 (七夕・秋)

 『枕草子』の第七段「正月一日、三月三日は」)にも
 「七月七日は、曇り暮して、夕方は晴れたる空に、月いと明く、星の数も見えたる。」
 とあり、曇り空にやきもきしながら、牽牛・織女の二星会合の夜の晴天を待ち望む気持ちが伝わってきますね。

 さて、お盆を迎える準備の方も忙しい。
 乞巧奠(きこうでん)と盂蘭盆会(うらぼんえ)は、お供え物も共通のものが多いですね。
 今年のオミナエシは少し花の着きが少ない。桔梗は早く咲きすぎて、アスターの開花は遅れ気味。
  写真:盆棚、盆花
 

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