2013.10.13 [ 歴史・祭・暮らし ]
歴女注目!沢底の”精霊の王”(辰野町)
こんにちは!
魅力発掘探検隊(歴史・祭り・暮らし班)のIです。
日本最古の道祖神と早春の福寿草祭りで知られる、辰野町沢底(さわそこ)の里。
この地が話の導入の舞台となった、とても不思議な本が10年ほど前に出版されました。
著者は、哲学者・思想家として活躍されている中沢 新一氏(現 明治大学野生の科学研究所長)。
哲学、人類学、宗教学など様々な知識を駆使してワクワクする知の冒険へ導いてくれる氏の著作ですが、この本は、日本が成立するはるか以前に生きた人々の思考や世界観を読み解くかぎは、この地域に存在する縄文や古い諏訪信仰の痕跡にある、という考えから、地元の研究者に案内されて、この沢底の鎮(しずめ)大神社にある社宮司(シャグジ)神という古層の神(精霊)のご神体を拝観するところから始まります。
と、本の紹介はここまで・・・興味を持たれた方はぜひご一読いただければと思います。
(実は、私も面白くて何度も読み返すのですが、難しくて内容が未だによく理解できていないのです・・・)
※精霊信仰とは、人間、動植物などあらゆるものに等しく魂(精霊)が宿っているとした縄文時代の信仰で、今日の神社神道の源流 と考えられているものです。
5年前に辰野美術館で開催された中沢氏の講演会を聞いたのですが、山梨県出身で、民俗学者であった父親の影響があった氏の原点が諏訪・八ヶ岳山麓地域であり、諏訪から伊那谷・三遠にいたる天竜川流域は日本の原初の文化を研究する上で極めて重要な地域である旨のお話がありました。
鎮大神社を訪れた10月6日は偶然にも秋の例祭の日。お昼前、丁度直会を終えた氏子の皆さんが、突然の見学のお願いにもかかわらず温かく迎えていただきました。皆さん ありがとうございました!
歴史あるお社の社務所の引き戸に描かれた素晴らしい梅の絵。
皆さんにご案内いただき拝殿へと向かいます。
祭りの日ということで、公開された拝殿奥の本殿を拝観することができました。
竜、象、唐獅子など素晴らしい彫り物の数々。江戸中期に三河の牛久保(現 豊川市)から沢底へ移住してきた宮大工 加藤吉左衛門重栄等による”牛窪流彫刻”の集大成なのだそうです。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804