2015.11.21 [ 歴史・祭・暮らし ]
やるせなき世に 【井月さんのこころ141】
井月さんのこころ シリーズ その141
今日21日(土)は、旧暦10月10日。十日夜(とおかんや)で、昔は子供たちが藁鉄砲で田の土手を叩いて廻り、案山子あげ(カカシアゲ)をして、案山子の神様に鎌を供えて感謝し、田の神様を山へ帰した日と伝えられています。
12日(木)リニア新幹線整備を地域振興に活かす伊那谷自治体会議の勉強会が飯田市鼎文化センターであり、道すがらこちらで紹介されていた銀杏並木を見に立ち寄りました。快晴の青い空に銀杏の黄色が映え、遠くに中央アルプスの峰々が美しい姿を見せていました。
東京海上日動リスクコンサルティング(株)主幹研究員である指田朝久氏から『巨大災害時のバックアップを伊那谷地域で果たしていくためには~BCPの視点から』と題して、首都直下地震等に備えて政府や企業の業務継続のために必要とされる資源や機能などについて講演いただきました。情報インフラなどの整備が重要であることや業務継続の代替要員としてウォームスタンバイしてもらえる定年退職者や二地域居住者の受け入れを進める伊那谷づくりためのヒントをいただくことができたと思いました。
『長野県への移住体験を通じて』をテーマに講演していただいたタレントの福井仁美氏からは、今年6月から3か月間、テレビ朝日の「イチから住」の企画番組で飯島町へ移住し、地元住民と触れ合いながら農業や自給自足生活をされた体験談が豊富な切り口で語られました。人との繋がりの濃さや新鮮な野菜などがふんだんに食べられる贅沢な田舎暮らしの良さを今後ともアピールしてほしいと思いました。
大学在学中からテレビ番組で8年間もリポーターなどを務めてこられた多彩な福井さんは、やっとこの春卒業して霞ヶ関で働き始めた我が長女とおない歳だそうです。地方創生にとって20代女子の回帰率が低いことが大きな課題とされている中で、田舎暮らしの良さを語っていただいたことと現実とのギャップに「ヤレヤレ……」と、何となく「やるせない」気持ちにさせられたのでした。
「やるせない」といえば、フランスのパリで13日夜に起きた同時テロ。自爆テロや銃撃により無辜の市民の犠牲者(死者129人、負傷者352人)を生んだ悲惨な結末が報道されました。犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」による周到に準備された事件のようです。
その卑劣で野蛮な行為には世界中から怒りの声が上がっていますが、その何倍もの犠牲を産んでいるとされるシリアなどの空爆から逃れようと大量流入する難民を受け入れる欧州の悩みにも深いものがあります。早期の治安回復を祈りたいと思います。
人の世のやるせなさは、古今東西で共通。井月さんがこの季節に詠んだ句です。
山雀(やまがら)や愚(おろか)は人に多かりき 井月
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
山雀は、シジュウカラ科の小鳥。低山の林に住む留鳥で、昆虫や木の葉などを食べる。「愚は人に多かりき」この述懐を聞くと、全く人間はやりきれない。原子の研究は人知の極を思わせるが、それがやがて原子爆弾となって一挙に何十万人も殺す。日々の国際紛争を平和裡に解決できない現実。
そんな人間にお構いなく身軽に飛び交い餌をあさる山雀。
(山雀・秋)
14日(土)午後1時から「い~な上伊那地域づくりフォーラム」を駒ヶ根駅前の市民交流活性化センター(アルパ)多目的ホールで開催しました。夕方5時からは、駒ヶ根駅前で行われた「こまち(駒街)バル」のイルミネーション点灯式にも出席させていただきました。
「い~な上伊那地域づくりフォーラム」は、地域づくりネットワーク長野県協議会上伊那支部との共催によるもので、地域づくりに取り組む団体や自治体関係者が集い、地域づくり活動への理解を深め、相互の交流を推進しようと毎年開催しております。
平成26年度の地域発元気づくり支援金の優良事例の表彰を行い、事例発表をしていただきました。
長野県知事表彰
中川村人形保存会:人形芝居「切竹紋次人形」再興事業
上伊那地方事務所長表彰
駒ヶ根市の鉄道100年地域活性化事業実行委員会:駒ヶ根市の鉄道100年記念事業
駒ヶ根商工会議所青年部:こまち(駒街)バル
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