2014.05.31 [ 歴史・祭・暮らし ]
お花まつりの頃【井月さんのこころ63】
井月さんのこころ シリーズ その63
5月25日(日)天候にも恵まれ、第3回初期中仙道小野宿市は大盛況でした。
県宝小野宿問屋が公開され、県宝小野家文書など所蔵資料が展示されていました。両小野中学校の生徒の皆さんが説明や接客を手伝っていました。
「憑(たのめ)の里」一帯では、小野宿問屋・小野神社資料館・古田晃記念館を回るスタンプラリー「自由にフットパス」などが行なわれ、街道を歩く家族連れなどで賑わっていました。
小野酒造店など地元六店が協賛して肴とお酒を楽しむ「ワンコイン飲み食べ歩き」も行なわれ終日賑わっていました。
昨年の「ワンコイン飲み食べ歩き」の様子はこちらの記事で紹介されています。
小野宿問屋が面する国道153号線反対側に明治の横浜開港に貢献した小野光賢・光景の生家、その北隣に小野酒造店があります。
小野酒造店の酒蔵見学に参加させていただきました。
櫂(かい)を入れて掻き交ぜることをしない、澱(おり)は抜くものの濾過(ろか)をしないなど、伝統は重んじながらも最新の設備や技術を導入して、風味を大切にした酒造りが行なわれている様子を丁寧に説明していただきました。
ワンコイン(五百円)の新酒試飲では、「大吟醸」をはじめ、地元小野産の美山錦を使った純米酒「憑の華(たのめのはな)」などをおいしくいただきました。
「こめはなや」製の「酒まんじゅう(くるみ)」も、とても美味でした。
甘党の方には甘酒がふるまわれていました。
また、小野酒造店の酒蔵で行なわれた「酒蔵ライブ」では、両小野小学校金管バンドクラブや両小野中学校吹奏楽部の皆さんによる演奏会も開催されていました。
ちょうどこの日は、小野酒造店の直ぐ近くにある、わが菩提寺でもある曹洞宗祭林寺では、お花まつりの潅仏会が開催されており、甘茶がふるまわれ、たくさんの子どもさんたちで賑わっていました。
甘茶を誕生佛にかけるのは、お釈迦様の誕生を祝って九頭の竜が天から甘露を注いで産湯を使わせたという故事に因むのだそうです。
お釈迦様は生まれて直ぐに七歩歩いて、右手で天を指し、左手で地をさして「天上天下唯我独尊」と申されたのだそうであります。
お花まつりのこの時期に小野宿市が定着し、この賑わいと甘茶の思い出が子どもたちの帰趨本能に繋がってくれることを期待したいと思います。
田植えが終わって昔で云えば「農休み」に行われる月遅れの「お花まつり」ですが、そんな時期のもう一つの味覚が「朴葉巻き」です。
山へ朴葉を採りに行き、家内に「朴葉巻き」を作ってもらいました。
米粉のほかに少しだけ小麦粉も使うのが柔らかく仕上げるコツなのだそうです。
餡子の入った「朴葉巻き」は木曽が本場で、餡のなかに「胡桃」など、いろんな味付けが加えられたものが売られていますが、上伊那の北部では農閑期に砂糖などで甘みを加えた餅を搗いて朴葉で包んだ「朴葉餅」が子供の頃の思い出です。
梅雨入り前のこの時期に、殺菌力がある朴や柏や笹の葉で食品を包んで保存しようとする知恵だったのでしょうか。
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