2015.04.11 [ 歴史・祭・暮らし ]
善光寺御開帳に 【井月さんのこころ109】
井月さんのこころ シリーズ その109
4月4日(土)長野市の善光寺で、前立本尊を大勧進の宝庫から本堂に迎える御遷座式と本堂前に建立された回向柱の開眼法要が執り行われ、その間が「善の綱」で結ばれて、翌5日(日)から7年に一度の御開帳が始まりました。
これにあわせて4日から県信濃美術館で「善光寺御開帳記念『“いのり”のかたち』-信濃の仏像と国宝土偶『仮面の女神』『縄文のビーナス』-」(長野県、信濃美術館、信濃毎日新聞社主催)という企画展も始まりました。
上伊那からも辰野町上島普門院の国重要文化財『十一面観音菩薩立像』が展示されています。この立像は、善光寺仏師妙海の最高傑作といわれる鎌倉時代末期の仏像で、5月7日まで展示されるとのことです。伊那市西箕輪仲仙寺の四天王像のうち二体も展示されているこの企画展は、5月31日まで展示品の一部を入れ替えながら開催されていきます。
芭蕉翁が詠んだ善光寺さんは、貞亨5年 四十五歳、門人の越人を同道して姨捨の月を見に訪れた「更科紀行」で、少し足を延ばして見た善光寺の甍を照らす中秋の月です。
月影や四門四宗も只一つ 芭蕉
この句碑が善光寺大本願境内と刈萱堂往生寺にあります。
更科紀行の姨捨山の月については、遡回その27に記しました。
越人については、遡回その100に登場しました。
そして、井月さんが詠んだ善光寺さんです。平成24年のちょうど今頃、善光寺境内から信濃美術館へ向かう参道沿いに、井月さんの句碑が建てられました。(長野地方事務所商工観光課から句碑の写真を送っていただきました。)
思ひよらぬ梅の花見て善光寺 井月
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな 井月
後者の句は、遡回その8で紹介しました。
前者の句には、「越後に八ッ房有とや」なる詞書が添えられています。八房梅という新潟県阿賀野市の梅護寺にある親鸞聖人ゆかりの梅のことだそうです。善光寺境内にもあったのでしょうか。
さて、高遠城址公園のさくらも満開を迎えていますが、我が標高850メートルにある自宅の庭では、8日早朝に一面の春雪で真っ白。梅は満開を過ぎ、杏が満開、桜と桃(花桃)はこれから開花を迎えます。梅も杏も、実が成るか心配です。
花はこの順番が一般的かと思っていましたら、全国的には梅が最も早く咲くものの桜と桃の順番は地方や気候によって異なるのだそうです。
関西地方から関東地方の太平洋沿いでは3月中旬以降に桃から桜、中部地方の山沿いや東北地方では桜から桃となることが多く、東北北部や北海道では梅、桃、桜が同時期に咲くのだそうです。
三春駒や三春滝桜で有名な福島県三春町周辺(江戸時代の三春藩)では、梅、桃、桜が一度に咲き揃うので「三春」と名付けられたのだそうです。
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