2015.01.17 [ 歴史・祭・暮らし ]
嫁が君に 【井月さんのこころ97】
井月さんのこころ シリーズ その97
正月7日は、七草。五節句のひとつで、人日(じんじつ)です。七種粥を食べて祝います。疲れた胃腸をいたわり、不足しているビタミンを補うには最適なメニューといえますね。
五節句は、人日(じんじつ)、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき)、重陽(ちょうよう)。昨年の記事はこちらです。
10日(土)門松を焚く「どんど焼き」が行われました。
今年の新年は雪が多く、門松が集まるか心配されましたが、昨年よりも立派な櫓が建てられました。午後3時に点火され、強い西風に煽られて燃え上がりました。燠(おき)ができるのを待って、アルミホイルに包まれた繭玉餅、角餅、お供えなどを焼いて食べました。
11日(日)信濃毎日新聞の朝刊で「井上井月顕彰会」会長の堀内功さん(94歳)の訃報を知りました。 9日都内のホテルで、井月さん映画「ほかいびと」の北村皆雄監督との打ち合わせの直前に様態が急変されたとのこと。
このブログ「井月さんのこころ」シリーズを書き始めるきっかけは、平成25年1月26日開催の「かみいな魅力発信シンポジウム」で「ほかいびと」の上映と北村皆雄監督さんや竹入弘元先生らと行ったパネルディスカッションのコーデイネーター役を務めさせていただいたことでした。当日の会場には、堀内功さんのお元気なお姿がありました。
心から哀悼の意を表し御冥福をお祈り申し上げます。
さて、何やかやと忙しい年始。消防の出初めやら新年総会やら様々な行事が重なって、休日もなかなか取れそうにありません。
そんな正月に忙しがっている人間にはお構いなしに跳び回っているネズミを、井月さんは次のように詠んでいます。
宵の間もいそがし振や嫁が君 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
嫁が君は忌み詞で、鼠のこと。特に新年に鼠をさして言う。お正月は、人が捕らえようとしないことを察知してか、人には馴れた様子で、宵とも云わず昼間から出てきて忙しそうに跳ね回ったり食べ物を漁る嫁が君。
井月はそんな嫁が君に興味を覚えて、「何くはぬ顔して覗け嫁が君」とけしかけたり、「嫁が君いたずらものと云はるるな」と制してみたり(嫁が君・新年)
嫁が君馬には深きゑにしかな 井月
とも。家ネズミも見かけなくなった昨今ですが………
午歳は過ぎて未の嫁が君 青巒
「しあわせ信州移動知事室」も予定がびっしりで、企画書には、あちらこちら付箋だらけになっていますが………。
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