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昔は八ヶ岳にもいたライチョウと温暖化の話・下――バードフェスティバル諏訪3――

【ヒナのためのケージ保護作戦】

ライチョウの絶滅を何とか防ごうと、
環境省は中村浩志信大名誉教授の指導で
2015年から南アルプスの北岳周辺で
「ライチョウ母子のケージ保護」の取り組みを行ってきました。


(画像は標高3033mの仙丈ケ岳(左)と標高3193mの北岳(中央))

これはヒナが生まれてから一か月の間、
雨が掛からないよう覆いをしたケージを縄張りの近くに置き、
夜は母とヒナをケージに誘導して
天敵や悪天候から守ろうというものです。

しかもケージから外に出る昼間は、
人が親子に付き添って歩き、
天敵に襲われないよう見張ります。

ライチョウにとって一番危険なのが
生まれて一か月の「まだ飛べない時期」ですから、
この時期に手を掛ければ、
ヒナは生き残る確率が高い――。
そう判断しての取り組みなのです。


(以下のパネル画像は山本篤子さんによるもの)

それに、ケージ保護では
「エサの世話」も重要な仕事です。

ライチョウの好物は
イワツメクサやムカゴトラノオなどといった
高山のお花なので、
それらを摘んできて「花束」を作り
ケージの中に置くのです。

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