2017.07.26 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
新旧花火の競演~県選択無形民俗文化財:深見の祇園祭~
総務管理課のTです。
皆さんは、阿南町東條にある深見池をご存知でしょうか。
大下条小学校の北東に位置する周囲約700mの伊那谷唯一の天然湖です。
この池で毎年7月の第4土曜日に行われるのが「深見の祇園祭」です。
池の北東側の丘の上にある諏訪神社の境内に祭られる島津社の御神体を神輿で担ぎ出し、池に浮かべた筏舟の上で厄払いが行われます。祇園囃子に合わせて花火の閃光が湖面を染める中で神事が進められます。
花火が水面に映える美しい祭りとして、知る人ぞ知る存在です。
この津島社は、江戸時代の天保7年(1835年)に、はやり病を鎮めるために尾張の津島神社より分霊を迎えたことが始まりとされています。
そもそも、祇園祭というのは京都・八坂神社の祭典ですが、平安時代にはやり病が発生した時にそれを鎮めるために行われた御霊会が起源とされますが、島津神社の「尾張の津島祭り」は祇園祭りの地方版ともいわれ、豪華な舟を浮かべて管弦の楽などを奉でながら歌舞・祭儀などの疫病送りが行われます。「深見の祇園祭」は、これらの流れをくむもので、これから推察するに約180年もの間受け継がれてきた祭事で、県の選択無形民俗文化財にも選定されいます。
筆者も、前から「一度は観たい。」と思っていましたが、これまでその機会がなく、今回、7月22日(土)に、思い立って出かけてきました。
18時前に到着しましたが、すでに多くの方々が場所取りをしていました。
観覧スペースを確保し、始まるのを待ちます。
写真中央の木立が諏訪神社と島津社の境内
阿南町は何度も訪問していますが、この池を訪れる初めてです。すり鉢状の地形の底が池になっていて、急斜面の多い土地柄に、このような池があること自体、どことなく神聖な雰囲気があります。
6時15分ごろ、社の方角からお囃子が響き始め、島津社が池まで担ぎ出されてきました。
筏舟に移され、神事が進みます。
あたりが薄暗くなり、いよいよ花火の開演です。
地域住民の皆さんが願をかけたかけた花火や地元企業の皆さんの協力による花火が次々に打ち上げられます。
そのほとんどが、スターマインで、すり鉢状の地形もあって、音がこだまし、大迫力の連続でした。
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