2020.11.19 [ わたしたちの仕事 ]
ドローン利活用の道2(空撮写真でハリボテ作り!?)
こんにちは!農地整備課のKS43です。
前回より始めたドローンの利活用シリーズ?第2回目です。
前回は、鳥の眼写真そのものが持つ特性についてふれさせて頂きましたが、今回は少々突っ込んだ使い方についてお話ししたいと思います!
早速、の画像をご覧ください。
いつもの空撮写真でしょうか・・・?
いいえ。違います。
これは、複数の空撮写真を材料に、専用の解析ソフトを使って作られた、「3D点群データ」と呼ばれるものです。
一見すると写真の様ですが、これ自体に立体的な「高さ」や「距離」といったデータが含まれており、パソコン上でグリグリと動かすことで、色んな角度から映像を見る事が出来るのです。
パソコン上で動かせる、立体的な「ハリボテ」をイメージして下さい。
立体なので、好きな場所で輪切りにして、断面を見たり、そのまま体積を計算することも出来ます!
こちらは、任意の断面から断面図を作成しているところ(操作画像を組み合わせて編集・加工しています)
これは、盛土された土砂の体積を計測している画面です。
これらの技術は、既に建設・建築などの土木の世界では当たり前の様に導入されており、数々の工事現場において施工管理の省力化に役立てられています。
我々も、遅ればせながら、最先端の世界の入口を覗いた・・・と言いたいところですが、そうそう上手くは行きません
先ほど、「パソコン上でグリグリ」と書きましたが、自分たちが使うパソコンは、非常に奥ゆかしいと申しましょうか、控えめと申しましょうか、日常の事務をこなすだけの最低限のスペックしか有しておりません・・・
本来必要な精度で上記のデータを作成しようものなら(そもそも作成に数時間掛かる)、データが重すぎて、全く実用に堪えないのです
でもせっかくの機能です。
本当に詳細なデータは餅屋に任せるとして、我々が実用に堪えられるぎりぎりのラインを探ります
データの精度は材料となる写真の枚数で決まります。
写真の重なりを減らし、撮影高度を上げて一枚当たりの撮影範囲を広げると、データは軽くなります。
この辺りの調整を試行することで、一応のラインが見えてきました。
その成果が、こちらの写真です。
かなり広範囲にわたるデータですが、ストレスなく動かすことが出来ます
これは、とあるダムの映像ですが、このデータ単体では、それほど有用な使い方は出来ません。
ですが、同様のデータを、節目節目で積み重ねることで、徐々に堆積していく土の量などが計測できるのではないか?と考えています。
こうした使い方も、これから研究していきたいと思います。
但し、「写真」を使って作成されるモデルならではの弱点もあります。
先ほどの画像でも、草木が繁っている状態が見て取れますが、体積や断面を算定する際、この草木の輪郭が、地面として認識されてしまうのです。
画像がモノクロになったと考えれば、草だか地面だか、区別がつきませんよね?
あくまでも「ハリボテ」なので、そこが辛いところです。
この弱点は「レーザースキャナー」を積んだドローンなら解消できるのですが、非常に高価となります(+_+)
でも、逆に言うと草木に邪魔されない、開けた農地などの崩落の状況などは、実態に近いデータが得られるとも考えられます。
実際に災害が発生した際、求められるのは迅速性です。
小人数・短時間で被災の全容が把握できるドローンは、まさにうってつけなのです。
有事の際に役立てられるよう、平時にこれらの腕を磨いてまいりたいと考えています。
【使用機材】
・ドローン:「MAVIC2」(地域振興局配備)
・ソフトウエア:
「GS Pro」(DJI社より無償配布:自律飛行による空撮時に使用)
「Terra Mapper」(農政部農地整備課でライセンス取得・・・掲載の画像は、この編集画面を抜き出したものです)
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