2013.08.29 [ 佐久のいい景色 ]
歴史的農業施設シリーズ5~軽井沢町の千ヶ滝を訪ねて~
農地整備課の「SKT46」です。前回に引き続き水源地を訪ねてきました。
今回は、歴史的農業施設シリーズ1で紹介した「御影用水」の上流にある千ヶ滝です。
この御影用水の上堰は、一級河川湯川の支流にある「里池」下流から取水しています。この堰を管理している「小諸市御影用水管理委員会」では、さらに上流の「千ヶ滝」を源流として、その用水の管理に努めているので、水源地として千ヶ滝を訪ねてみました。
のどかな里池(鴨が3羽)
緑が囲まれた山道
まずは、旧軽井沢スケートセンターの近くにある「里池」です。ここには、御影用水五社宮があり、下堰の「秋葉神社」「弁財天」「権十稲荷」と上堰の「山の神」「不動尊」、そして「柏木小右衛門碑」「千加瀧潼碑」が並んでいます。今年、これに加えて2つの「千ヶ滝不動尊」が新たに加わりました。
五社宮の左側に移設された2つの不動尊
五社宮には、もともと別々のところで祀られていた社を集め安置し、毎年委員会が水神祭を執り行っています。今年は、5月8日に御影用水五社水神祭が開催され、「SKT46」も参加し、豊かな水の恵みによって実り多い年となるように祈願しました。そのあと、千ヶ滝まで足をのばしてきました。
この時、途中でこんな作業をしている皆さんに出会いました。そうです新しい「千ヶ滝不動尊」を千ヶ滝の横に安置するために、運んでいる石材店の職人の皆さんです。
なぜでしょうか?
御影用水管理委員会の柏木委員長さんにお聞きしますと、東日本大震災により滝の一部の岩が崩れるなどして、滝下にあった「千ヶ滝不動尊」が3つに割れて倒れてしまったため、新しい「千ヶ滝不動尊」を建立すべきと作業をしているところだそうです。
新旧の「千ヶ滝不動尊」です。このアングルは合庁の1Fホールに飾られている軽井沢町の観光ポスターにも使われていますね。
5月の不動尊(2代目)
7月の不動尊(3代目)
五社宮にある「千ヶ滝不動尊」(2代目)の裏側を見ますと、「今を去る280余年前の慶安年間に用水を開削し、その時に千ヶ滝に不動尊を祀り、毎年例祭を行っていた。しかし明治初年に浅間山麓一帯に未曾有の地変水害が起こり、不動尊が流失して発見できなかった。その後、再建の機運となり昭和6年に南大井村の皆さんによって再建された。」と、3つに割れているので推測して読んでみました。ということは、この不動尊は2代目で、新しい不動尊は3代目ということになります。さて、3代目の不動尊の裏面には、何と書かれているのでしょうか。
千ヶ滝から五社宮に移設された2代目の不動尊
移設された石造の不動明王像
不動明王像については、千ヶ滝湯川用水土地改良区の浅沼理事長さんにお聞きしますと、今は水量がわずかになっていますが、千ヶ滝の横の滝の岩の上にあった石像だそうです。近年したから見えなくなっていたのですが、実は崩壊した大きな岩に埋まっていたようで、今回の不動尊の建立に合わせて移設したそうです。なかなか凛々しいお顔の不動明王ですね。
建立したのは沓掛宿の皆さんで、不動明王の後背は火焔が通常なのですが、この不動明王は滝になっているのが特徴です。また右の二の腕の横には、鉄砲の弾(?)が撃ち込まれています。崖の上に安置されていた石像を遠くから狙い撃ちしたのでしょうか?
それにしても千ヶ滝や御影用水に関しては、長い歴史と地元の皆さんの水を大切にする熱意を感じますね。360年以上前にこの用水を開削した「柏木小右衛門翁」、宝暦9年に水番の帰りに狼に襲われて亡くなった「土屋権十翁」は、これには感謝されていることでしょう。
御影用水五社宮の位置
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