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信州・軽井沢発祥!人々を魅了し続けるコーヒー専門店「丸山珈琲」

いまや4都県11店舗を構えるコーヒー専門店「丸山珈琲」。
その発祥は、ここ信州・軽井沢にあります。こぢんまりとした喫茶店からスタートした丸山珈琲は
どのようにして現在の姿へと成長したのでしょうか?
そしてコーヒー通をも唸らせるおいしさの秘密とは?

焙煎工場とオフィスが併設された小諸店にて、
信州いいね!企業インタビュー丸山珈琲編、始まります!

インタビューに応じてくださったのは
丸山珈琲 事業推進本部長/執行役員の吉澤裕樹さん
管理部部長代理/産業カウンセラーの秋山千春さん のお二人です。

▲丸山珈琲小諸店の外観。工場とオフィスも併設されています。


1.丸山珈琲のコーヒーとは?

―はじめまして、佐久地域振興局商工観光課のSと申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
吉澤さん&秋山さん) こちらこそ、よろしくお願いします。


―早速ですが、丸山珈琲のコーヒーの特徴について教えてください。

吉澤さん) まず、丸山珈琲のコーヒーというのは「スペシャルティコーヒー」です。個性豊かな香りや風味、飲み終わった後のスッキリとした、クリアな味わいが特徴的と言えます。また、飲んで美味しいという点はもちろんですが、「誰が作ったかわかるコーヒー」である点も特徴ですね。丸山珈琲のコーヒーは、バイヤーである社長の丸山が世界中を飛び回り、実際に味を確かめ、直接生産者から買い付けたコーヒー豆を使っています。また、コーヒーにはその生産者の名前をつけているので、生産者のやりがいにもつながっています。中には自分の名前のついたコーヒーを見たいと、わざわざ日本に来る生産者の方もいらっしゃるんですよ。


―確かに、自分の名前のついたコーヒーがあるということはモチベーションになりますね!開発に際して他にも意識している点はありますか?

吉澤さん) 日本や欧米などはコーヒーの消費国といえるのですが、こうした消費国によっても好まれる味わいは変わってきます。なので、バイヤーが実際に生産地に出向き、「日本ではこうした味が好まれる」という話をし、それに応じた作付けをしてもらっています。すべてではありませんが、そういった研究をされている農家さんは多いですし、やはりせっかく作ってくれた豆はたくさん販売していきたいので、消費国のニーズを形にできるよう心がけています。


―こちらの要望に農家さんも応じてくださるのですね。そこにはやはり信頼関係というのも大きいのでしょうか?

吉澤さん) 本当にそこは信頼関係だと思います。毎年のように農家さんのところまで足を運んでコミュニケーションをとってくるコーヒー豆のバイヤーは、世界の中でも丸山が一番なのではないか、というくらい回っていますので。(笑) 20年くらい通い続けているからこそ、農家さんも相談に乗ってくれるのだと思いますね。


―信頼関係というのはコーヒーづくりにおいても非常に重要な要素ですね。ここまでおいしいコーヒーには欠かせない、豆のこだわりについて伺ってきましたが、抽出という点では「バリスタ」も欠かせないかと思います。世界大会で賞をとるバリスタのスタッフもいるとお聞きしましたが、やはりバリスタの育成には力を入れているのでしょうか?

吉澤さん) まず創業当初のことから少しお話すると、創業当時丸山は技術面である焙煎にこだわっていたんです。開業したての頃は今ほどいい豆が手に入らなかった時代というのがあって、豆を焼くことを極めていたんですね。そして焙煎の腕を磨いた後、次は何が必要かと考えた時、「素材がよくないとダメじゃないか」となり、初めて海外のスペシャルティコーヒーに出会い、豆の品質にこだわり始めました。こうして豆にもこだわり、自分の腕も磨き、最後は入れることにもこだわらないとお客様に満足していただけるコーヒーはつくれない、と思い力を入れたのが「抽出」の部分なのです。ワインの世界にソムリエがいるように、コーヒーの世界でも自分が買い付けまでこだわった豆をよりおいしく抽出し、提供できるようにすることがバリスタ育成につながったと思います。


―美味しいコーヒーを提供する最後の過程として欠かせない存在なのですね。

吉澤さん) そうですね、やはりいかに100%の状態に保ちながら最後お客様にお届けするかという上で、豆・焙煎・抽出はどこも欠かせないプロセスですね。

▲焙煎と豆の選定が行われています。信頼された職人たちの腕が光る空間です。


2.現在に至るまで

―今や4都県11店舗を展開されていますが、それもひとつひとつの過程を大切にした結果、なのかもしれません。このように県内外へと大きく展開していくきっかけや方針について教えてください。
吉澤さん) ありがとうございます。丸山自身、当初はどんどん広げていこうということはあまり考えていなかったようです。ではどうして規模を広げていったかというと、誰かの期待や要望に合わせるようなかたちで大きくなっていった、というのがひょっとしたらふさわしいのかもしれませんね。まずは「お客様」です。評判が広がることで、お客様のご要望やニーズに合わせて店舗や商品を増やしていきました。そして「産地」ですね。コーヒー豆の産地で生産者さんからできるだけ多くの豆を購入し、消費国である日本で少しでも多く販売したいという思いがあって。その根底には、生産者さんたちの生活がよくなり、将来設計が立てやすくなる、本当の意味で持続可能な形を作っていくことにつながるんです。そのためにお店を増やしたり、取り扱いを増やしていったりということの繰り返しですね。


―拡大していくにあたって、苦労されたこと、変化したことなどはありますか?

吉澤さん) まず、大変な点でいうとコーヒー豆の仕入れですね。やはりコーヒー豆も農作物ですので、旬といいますか、購入できるタイミングが限られています。今十数か国とお付き合いさせていただいていますが、生産者さんがいい豆をつくってくれたそのタイミングで買い付けをしないと、鮮度がよく旬の豆は手に入らない。年に一度、それぞれの国と一年分の買い付けを行うのですが、規模が大きくなってくると動く豆の量やお金の出入りも変わってきますので、その辺りが少し大変かもしれません。(汗)

▲用途ごとに仕分けられたコーヒー豆。袋いっぱいです!

 変化という点でいうと、実はいま私たち自身が転換期の中にいるんです。店舗が増えてきたことによって、「ちょっと休みたい」「たまたま通りがかったから」と気軽にお越しくださるお客様も、有難いことに増えています。若い方やコーヒーは少し苦手だという方など、対象となるお客様の層が広がっていることを実感していますね。そうしたお客様にも満足していただけるよう、最近は加工品の開発にも力を入れています。例えばリキッドタイプのコーヒーや牛乳で割って飲むカフェラテベースのコーヒーなど、様々なタイプのコーヒーに挑戦中です。加工技術も上がり、豆の品質も良くなっているので、こうした加工品も美味しくできるようになっているんですよ。


―これからは、より多くの方に楽しんでもらえるようなコーヒーづくりという視点も必要になってくるのですね。

吉澤さん) そうですね、そういった意味では丸山珈琲の強みは引き出しの多さだと思います。コーヒービギナーの方にはもちろん、世界一のコーヒーを飲みたいというお客様がいれば、それにふさわしいコーヒーを用意することもできる。選択肢の多さ、引き出しの多さは丸山珈琲の強みですね。

▲店内のショップ。様々な種類のコーヒーがズラリ!


3.丸山珈琲で「働く」

―2017年から長野県の「職場いきいきアドバンスカンパニー制度」(※1)に認証されていますが、労働環境はどのように整えられているのでしょうか?
秋山さん) 私自身が産業カウンセラーという立場なのですが、なにか相談事があれば私の方で出向いて直接お話をしたり、対応できることがあれば対応しています。ようやく最近、会社の中でも認知されてきたのかなという感じですが、この規模の会社で産業カウンセラーという役割があるのも、中々珍しいかもしれません。


―産業カウンセラーという役職は初めからあったのですか?

吉澤さん) 最初はありませんでした。やはりスタッフの数も増えて、拠点も増えて、となってきた時にこちらでは分からないスタッフの方の気持ちもあったと思うんですね。少ない店舗の中では、たわいもない話からちょっと調子どうかな?と分かったりすることもあるのですが…。そうした中で、もともと他の社員からよく相談を受ける立場であった秋山が資格を取り、相談できる窓口としたことが始まりです。労働環境の整備に力を入れると言っても、こちらが押し付けでやっても意味がないので、こうして窓口を用意し、「声を上げる場所があるんだよ」ということを浸透していく。そうすることによって「次はこういうことやってあげないといけないな」といった課題が見えてきて、労働環境の精度も上がってくるのではないかと思います。

▲美味しいコーヒーを届けてくれる店員さん!


―なるほど、社員が気軽に相談できる場所を作ったのですね!最後になりますが、企業にとって社員とはどのような存在でしょうか?

秋山さん) 以前社長も申しておりましたが、やはりこの丸山珈琲という会社で人生の多くを過ごしてほしい、という気持ちが大きいですね。ワークライフバランスと言われていますけど、私はワークもライフも分けることはできないと思っていて、バランスっていうのもなんだか変な言葉だな、なんて思っています。(笑) なので、この丸山珈琲という場所を働いている人たちの生活として、いい意味でワークだけではなく過ごしてもらいたいなと思います。そうなるとある意味もうでっかい家族みたいな存在ですね。


―安心できる環境があっての職場ですね。吉澤さん、秋元さん、本日は貴重なお話、本当にありがとうございました!

吉澤さん&秋山さん) ありがとうございました。


軽井沢から始まり、さらなる成長をし続ける丸山珈琲

細部までこだわったコーヒーの美味しさはもちろん、お客様のこと、生産者のことを思ったコーヒー開発の姿勢に、多くの人々を魅了する理由を実感しました。
落ち着いた空間と味わい深いコーヒーに癒されに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

▲ゆったりとした空間で、美味しいコーヒーを。


企業情報
丸山珈琲(小諸オフィス)
住所 〒384-0092 長野県小諸市平原1152-1
電話 0267-26-5506
FAX 0267-25-5380
丸山珈琲HP 【https://www.maruyamacoffee.com

(※1)
長野県では、「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証制度を推進し、仕事と家庭の両立を図りながら働き続けることのできる職場を増やすことに取り組んでいます。
<「職場いきいきアドバンスカンパニー」認証制度とは?>
仕事と家庭の両立ができる職場環境の改善や、雇用の安定を進め従業員がいきいきと働き続けられるよう短時間正社員制度など多様な働き方等の制度を導入し、実践的な取組を行っている企業・法人・団体・個人事業主を認証する制度です。
詳しくは、HP「ながのけん社員応援企業のさいと」 URL【http://nagano-advance.jp/】をご覧ください。

佐久地域振興局 商工観光課
0267-63-3157

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