2015.12.22 [ 佐久の企業 ]
物事の事実は変えられないが、見方は変えられる。
こんにちは。商工観光課のケッシーナです。
軽井沢町に本社、佐久市に醸造所があり、ビールの製造・販売を行っている株式会社ヤッホーブルーイング代表取締役社長の井手直行さんにお話を伺う機会がありました。本日はその際に伺った「物事の見方」についてご紹介したいと思います。
―本日はよろしくお願いします。最初に創業から現在までの沿革を教えてください。
1996年に会社を設立、1997年4月に醸造所を建設してビールの製造を始め、同年7月に看板商品である「よなよなエール」を造りました。1997年のオープン時は地ビールブームと重なり、売上は右肩上がりでした。しかしながら、そんな状況は長く続くはずもなく、地ビールブームは終焉を迎え、1999年のピークを境に2004年のネット通販に力を入れ始めるまで売上は下がり続けました。インターネットの効果が出始めた2005年から売上が伸び、2005年から現在まで11期増収増益となりました。経営は2008年に前社長であり、現株式会社星野リゾート代表である星野から引き継ぎ、今に至ります。
―井手社長は福岡県出身で転職して長野県に来られたとお聞きしていますが、長野県に移住しようと思ったきっかけを教えてください。
自然が好きでキャンプや釣りのようなアウトドアによく行っていました。日本中を旅していて北海道で1ヶ月程野宿したり、長野県にバイクのツーリングで来たりしていました。そんな中で自然があるところに住みたいと考え、転職雑誌で北海道と長野県の求人を見て、営業も未経験でしたが長野県内の会社に採用されたため、長野県に引っ越してきました。
―移住される方の多くが、自然が好きとお答えになり、長野県と北海道を比較されることは多いです。やはり、長野県は自然が豊かなイメージがあるのでしょうか。
長野県の自然は素晴らしいですね。北海道は広大な自然というイメージですが、長野県は綺麗な高原というイメージがあります。私は数年前に家を建てたのですが、今でも子供と薪割りをして薪ストーブで暖を取る等、自然の中での生活が大好きです。
―地ビールブームが終わって大変な時期を経験されていますが、売上が上がらず辛い時にあきらめずに続けることができた秘訣を教えてください。
あきらめたかったのですが、当時社長の星野が「まだやり残したことはないのか?いつか絶対にうまくいくからトコトンやってみよう」と言ってくれました。星野の様なすごい経営者に「きっと上手くいくから」と励ましてもらえるという後ろ盾があったのであきらめず続けられました。だから今は私がその立場になって、従業員全員の後ろ盾になるようにしています。
―井手社長は落ち込むタイプですか、落ち込まないタイプですか。また落ち込んだ時に立ち直るための秘訣を教えてください。
人間なので落ち込みます。ただ、相対的に見ると落ち込まないタイプのようです。以前は嫌なことがあるとどう忘れようかとか、どう気分転換しようとか考えていました。ある研修を通して「物事の見方を変える」ということを学びました。起こった事実は変えられませんが、物事の見方は訓練で変えられるんです。それ以来、落ち込むことは更に減りました。
例えば、道路でタイヤがパンクしたとします。研修を受ける前の私であれば、会社に遅刻して会議に出られなかったとか、余計な出費がかかると落ち込むと思います。でも研修を受けてからの私は、パンクしてタイヤ交換したけどこの経験はいざという時に役に立つとか、交差点でパンクしていたら大事故になっていたかもしれないから、人がいないところでパンクして良かったと考えます。
確かに、パンクしたという事実は後悔しても変えられません。でもそれを当事者がよく見るか、悪く見るかで物事は変わってきます。それに、自分が落ち込むと周りの人にも良くない影響を与えてしまいます。逆にこれをプラスにとらえられれば自分も明るくなるし、周りも明るくなるのでクヨクヨしなくなります。
―考え方はよく分かるのですが、なかなかその境地に行くまでが難しいのですが、どうしたらよいのでしょうか。
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