こんにちは！農地整備課のゲンタです。
　
　今日は須坂市小島地籍にある『日滝原頭首工』をご紹介します！
　ちなみに「頭首工」とは河川などから農業用水を取水するための施設です。

　須坂市小島地籍の上信越自動車道の高架橋が一級河川八木沢川と交差する付近に、少し珍しい頭首工があります。
　八木沢川の水中に河川を横断するように仕込まれたゴム製のバックのようなものに空気を送り込むことにより、バックを膨らませ、川を堰止め、水を水路に入れるのです。

　この施設は『日滝原頭首工』と呼ばれ、高山村から須坂市にかけて広がる松川左岸扇状地の「日滝原」と呼ばれる畑作地帯に、かんがい用水を送水するための施設です。

　さらにユニークなのは、この取入れ口から伸びている水路は少し登り坂（逆勾配）となっているのです。川を堰き止めることにより上昇した水面の高さだけ、水は水路を逆流して川より標高の高い農地に水を送るのです。
　河川から取水した農業用水は、いったん貯水池に貯えられ、そこから３箇所のポンプによってさらに標高の高い農地へとリレーされ、580ヘクタールの農地にスプリンクラーにより散水されています。

　これらの施設は、昭和４１年から始まった県営かんがい排水事業などにより整備されたもので、遠隔操作の完全自動灌水（かんすい）方式による「畑かん」施設となりました。

　これにより、長い間干ばつに苦しんできた日滝原地区はりんごと巨峰ぶどうを中心とした県内でも有数の果樹生産団地へと変貌を遂げることができました。

　また最近では、売れる産地づくりを目指し、県オリジナル品種の「りんご３兄弟」や、「ナガノパープル」も栽培されています。

　※施設用水の管理者：長野県日滝原土地改良区