ほっと9(ナイン)ながの 長野で働くスタッフが、長野地域の9つ(ナイン)の市町村の「ホット」な魅力をご紹介!(長野市、須坂市、千曲市、坂城町、小布施町、高山村、信濃町、飯綱町、小川村) 私たちの日々の仕事の話、「ほっと」一息つける癒しの裏話、きっと役に立つ暮らしの豆知識、おすすめ絶品グルメ…などなど、ここでしか出会えない”ながの”のすがたをお見逃しなく!(旧「ほっとスタッフブログながの」)(写真:千曲市 龍洞院の紅葉))

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ITで暮らしを豊かにする”えんじに屋” 「合同会社ホメテ」(いいね!インタビュー⑦)

こんにちは!商工観光課のKです。
今回の「信州いいね!企業インタビュー」は、長野市にある合同会社ホメテ池尻 道泰代表です。
Webサイトの構築やWebシステム開発、スマホアプリの開発を行っているこの会社。
お仕事に関する話はもちろん、少年時代の話やITの今後など、たくさんのお話を聞いてきました!

代表の池尻 道泰(いけじり みちひろ)さん

代表の池尻 道泰(いけじり みちひろ)さん

-まずは、合同会社ホメテの事業内容を簡単に教えてください。

はい。弊社では、Webサイトの構築や、Webシステムの開発スマホアプリの開発などを行っています。また、ITに関する技術やスキルを多くの方々に伝えるために、セミナーやプログラミング教室・個別指導も実施しています。

-Webサイトの作成とスマホアプリの開発は、同じ要領でできるのでしょうか。

似ていますが、それぞれ開発に使用するプログラミング言語が異なり、別々の技術が必要とされます。Webサイト構築やWebシステム開発では主に「PHP」や「JavaScript」といった開発言語を使用します。スマホアプリだと、以前はiOS用の「Objective-C」や「Swift」、Android用の「Java」といったように作る製品によって使う言語が別になっていました。しかし、最近はiOS用とAndroid用をまとめて作ることが出来る技術が出てきました。
この業界では、今ある技術やツールがすぐに古くなり、使えなくなることもあるので、どんどんと新しいものを取り入れていかなければいけません。
新しい技術やツールを活用することで効率よく開発できますのでコスト削減も可能です。お客様からご依頼があって「うちは両方同時に作ることはできないんですよ」と言うわけにはいきませんから、新しい技術は常にチェックしています。

-「WordPress」などのCMS(コンテンツマネジメントシステム)のカスタマイズも可能だということをお聞きしました。長野地域振興局のブログもWordPressを使って記事の作成や編集をしているのですが、そのシステムをカスタマイズすることができるのですか?

弊社では「WordPress」にも使われている「PHP」という開発言語を得意としています。ですので、「WordPress」のシステムを根本から作り変えるわけではありませんが、みなさんがより使いやすい形にカスタマイズすることは可能です。それによって、今まで当たり前だと思っていた面倒で分かりづらい操作を解消することもできます。
「WordPress」はWebサイトを作りたいという個人の方にも広く使われています。ただ、より良く見せたい!といった場合、ちょっとしたコツが必要だったりしますので、そういった個人の方に向けて「セミナー」や「個別指導」を行っています。

セミナーで講師をしている様子

セミナーで講師をしている様子

-システムを、より使いやすい形にカスタマイズできるのですね。スマホやタブレット向けのアプリは、どんなものを作っているのでしょうか。

弊社で開発したことがあるのは、使用者の健康管理を行うアプリなどです。一般のユーザーさんが使うアプリよりも、企業が仕事をするうえで使っていただくようなアプリが多いですね。
将来的には、弊社が開発したものとしてアプリストアに並び、多くの方に使っていただけるようなアプリも作っていきたいですね。

-創業されたのは2017年ですが、いつから創業を考えていたのですか?

2016年の秋ごろから漠然と考えていて、やろうと決断をしたのは2016年の年末でした。独立することによって、すべてのリスクを自分で背負うことになりますから、以前はそのことを漠然と「怖い」と思っていました。でも、自分が本当にやりたいことは何なのか、父親としてどんな姿を子供に誇れるかということを考えたときに、自分の会社を作ろうと決心しました

-創業するまでに、池尻さんはどんなお仕事を経験されたのですか。

大学を出て最初に就職したのは、カメラのレンズのフィルターを作っている会社でした。そこで営業や、商品の写真を撮影する仕事を経験しました。それなりに実績も残し、やりがいのある仕事ではあったのですが、自分が本当にやりたい仕事なのかと考えると、それはどこか違うなという気持ちもありました。
同じ時期に、沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んで海外の旅に憧れました。思い切って仕事を辞めて時間をつくり、オーストラリアなどを旅しました。そのうちお金が尽きたときに、「自分は何をやっているんだ・・・?」と思ったことを覚えています。

-勤めていた会社を辞めて、海外の旅に出たのですね。日本に戻ってきて、どうしたのですか?

なんでもモノを作るのが好きでしたので、クリエイティブな仕事をしたいと探していました。デザイナーは経験や感性が必要ですので残念ながら諦めましたが、その当時世間では2000年問題が騒がれていたこともあり、コンピュータのアプリを作るというプログラミングの仕事も面白そうだなと思いました。2000年問題の影響で、あちこちの会社で多くの求人が出ている時期でした。
(※2000年問題・・・西暦2000年になると世界中のコンピュータが誤作動をおこす可能性があるとされた問題)

-それ以前に、プログラミングに興味はあったのでしょうか。

そうですね。プログラミングに興味を持ったきっかけは、少年時代にあったと思います。任天堂から発売されたファミリーコンピュータの周辺機器に「ファミリーベーシック」というものがありました。キーボードなどを使ってプログラミングをして、簡単なゲームを自分で作ることができたのです。

-え、池尻さんはご自分でゲームを作っていたのですか?

そこまで大層なものではなかったですけどね。マリオなどのドットで描かれたキャラクターを、自分の作ったゲームの中で動かすことが面白かったです。
「Windows95」が発売されると、一般家庭にもパソコンが普及し始めました。パソコンに触って、そういえば子どものころにファミリーベーシックでプログラミングをしたなあ、と懐かしく思ったことを覚えています。それで、プログラミングを仕事にしてみるのも面白いのではないかと思いました。

少年時代から、写真撮影や物を作ることも趣味だったという池尻さん。本棚も自作されたそうです。

少年時代から、写真撮影や物を作ることも趣味だったという池尻さん。本棚も自作されたそうです。

-ある意味、子どもの頃から好きだったことが仕事になったのですね。その後はずっと同じ会社で働いていたのですか?

いえ、色々な会社で働いてきました。IT系の会社は、今が5社目です。さらに言えば、この業界では、どこかの会社からシステム開発の依頼があれば、その会社に常駐して、そこで開発をするというのが一般的なのです。ですから私も、様々な場所に常駐して、様々な仕事に携わってきました。

-それらは、長野県の会社だったのですか?

いいえ、社会人になってからしばらくは首都圏で仕事をしていました。ですが、2つ目の職場のときに働いていた地域・住んでいた地域があまり環境の良い場所ではなく、私も度々体調を崩していました。ちょうど第1子が生まれるタイミングだったこともあり、空気の綺麗な場所を探して、長野県に引っ越してきました。妻が長野市の出身でしたし、新幹線があれば首都圏に通勤することもできますからね。

-新幹線で東京まで通勤していたのですか。大変ですね。

3年近く毎日東京に通いました。私も疲れましたし、会社にとってもコスト面での負担が大きいため、途中からは長野市にいながら在宅ワークのような形で仕事をし、月に何度か東京の本社に顔を出すという働き方もさせていただきました。その働き方が、現在の仕事の形態の基礎になっているように思います。
その後も、会社の合併やゴタゴタに巻き込まれたりして、様々な職場での仕事を経験して現在に至ります。

-会社を転々とし、本当にいろいろな経験をされてきたのですね。

弊社が合同会社の形を取っているのは、そういった過去の経験が影響しています。合同会社ですと社員は原則として発言力は同じですから、公平な活動ができると思うんです。従業員あっての会社ですから、従業員やその家族を大切にできる会社を目指したいと思っています。

-そういう理由があったのですね。社名は、池尻さんがお考えになったのですか?

私が考案しました。ホメテという言葉は、「HOME TEchnology」の略です。
HOMEは「私たちの暮らしの周り」をイメージし、「その周りにあるテクノロジーを活用して、生活を便利で豊かにするお手伝いとしたい」という願いを込めて、この名前を付けました。もちろん、「いい製品を作ってくれてよかったよ!」とお客様に褒めていただけるようになりたいという意味も込めています。

-素敵な由来ですね。

お客様に喜んでもらえるような仕事をすることや、困っている誰かの力になることは、普段から大切にしている考え方です。

-大阪府出身の池尻さんは、長野県に来てどんなことを感じましたか?

空気が綺麗なことはもちろん、県民のみなさんも温かい人が多いなと感じました。あと私は写真を撮ることも大好きなので、信州の雪山にも魅せられました。長野市からは北アルプスが綺麗に見えますが、山々の風景を朝に見ると、今日も一日頑張ろうって思えるんですよね。

-IoTという言葉も様々な場所で耳にするようになりましたが、人間と情報通信技術の関係はこれからどうなっていくと思いますか?

2045年には、人工知能が人間の能力を追い越すと言われていますが、人間の持つ感情などはコンピュータに取って代わられることのない部分だと思います。感情に訴えかけるような分野では、これからますます人の力が重視されて盛り上がるのではないでしょうか。
「コンピュータに社員一人分の仕事が任せられるようになったから、人件費を一人分浮かせられる」という考え方ではなく、その一人にはまた違う新しい仕事をやってもらおうという発想が大切だと思います弊社も、我々の知識やスキルを生かしてそういう取り組みに携わり、みなさんの力になっていきたいです

ホメテさんで購入されたというGoogle Home。なかなか便利だそうです。ほしい。

ホメテさんで購入されたというGoogle Home。なかなか便利だそうです。ほしい。

-仕事をする中で、うまくいかなかったり、大変なこともあったりすると思いますが、池尻さんのストレス発散手段を教えてください。

私の場合、普段あまり体を動かしていない分、カメラを持って散歩に出かけたりすることが一番いいストレス解消になっている気がします。
最近、事務所でも「朝活」を始めました。毎週、月・金曜日の朝1時間ほど、カメラを持って街を歩いているんです。運動不足解消と、カメラを持って歩くことで自分たちの感性を磨くことにもつながっています。

-では、会社として今後やってみたいことを教えてください。

平成30年度から、Webサイト構築で創業者のみなさんを支援するサービスを開始しようと考えています。
自分が起業したときに、こういう仕事をする会社でありながら、他の準備に追われてWebページの作成が疎かになってしまいました。さらに通常、企業がWebページの作成をどこかの会社に委託する場合、ある程度の金額のお金をまとめて用意する必要があります。それって、起業して間もない会社には結構な負担になるんですよね。そういった目線から、例えば年単位で契約をし、月額でいくらか払っていただければ、Webページの作成から保守点検までを弊社で行うというようなサービスができないかと考えているところです。
企業にとって、自社の事を発信できるサイトがあることは重要だと思うんですよね。

-見やすいホームページがある会社って、なんだか信頼できそうな気がしますもんね。

お客様の予算に応じて、起業初年度は比較的コストのかからないシンプルなデザインのページ、2年目は少しお金をかけて機能の多いページ、という風に、様々な要望に応えることができればいいなと思っています。

-ご自身が起業を経験されたからこそのサービスですね。最後に、これから創業される方にひと言メッセージをお願いします。

はい。夢を叶えたいと思ったら、事業について本気で考えてから行動に移してほしいと思います。夢や理想だけで立ち上げてしまうと、周りの人にも迷惑をかけて、後で苦労することになります。強い思いも必要ですが、思いだけで動いて独りよがりになってしまい、社員の方たちの人生まで振り回してはいけません。資金面など、なるべく具体的に計画を立てておくことをおすすめします。

-今日はありがとうございました!

インタビューは以上です。
池尻さんのお話を聞いていて感服したのが、自分で作ってみる・挑戦してみるという熱意です。オフィスの本棚も、お店で売っていたものを参考に自作されたと聞いて驚きました。少年時代にはゲームに留まらず、洗濯機のモーターを使って自動車を作ろうとしてご両親に止められたそうです(!)。本当に素敵な方でした。
大人になっても変わることのない熱意を持った池尻さんは、きっとこれからも多くの人の助けになるサービスを生み出されていくのでしょう。
長野市に合同会社ホメテがあること、心強いなと感じました。

合同会社ホメテhttps://home-te.net/
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