2021.10.20 [ 林業総合センター ]
安全教育のためのカリキュラムを考えています
林業総合センター指導部えむです
昨年度、導入された伐倒訓練機は、実際の研修で少しずつ使うようになりました。
特に、初めて林業に従事する方が受講すべき安全教育である伐木造材特別教育では、実技講習の時間に、伐倒訓練機を使った模擬的な立木伐採を体験しています。この作業によりチェーンソー作業での危険性を理解することや、ご自身の癖も見ていただいています。
しかし、実技講習に充てられる時間は限られており、参加者の皆さんからも「もう少し実技の時間が欲しい」との要望をいただきますが、特別教育として教えるべき項目と時間が決められているため、希望を叶えるのは簡単にはいきません。
加えて、労働安全のために実施している特別教育でありながら、林業現場での労災事故は減らず、安全教育の見直しを考えなければなりません。
こうした経緯で導入された伐倒訓練機ですので、労働安全につながる使い方を模索するため、初心者とともに事故が多い経験豊富な技術者向けの内容を考えています。
まずは、自分たちで経験しながらというわけで、日常業務の合間を縫って、伐倒訓練機を使い、自分たちの欠点を見つけることにしました。
VTRを据え付けて自分たちの作業風景を撮影してみると、現場では水平に見えていても、画像を見返すとチェーンソーが傾いていること。
方向を定めて慎重に作業を続けているにもかかわらず、水糸を引いて伐倒方向を確認してみると、方向がずれてしまっていること。
欠点を挙げればきりがありませんでした。
しかし、経験豊富な職員でも、やはり難しいことから、「頭で分かっていたとしても、身体に染みついていない限り安全に伐ることができない。」ことがわかりました。
とはいえ県内でも、経験豊富なベテランが死亡事故を起こしたことや、入院を伴うような大事故を起こしていることも事実です。
今後、県内で林業に従事される方の事故を減らすためにはどうすれば良いのかを真剣に考えてみると、まずはご自身の技術を冷静に認識することが大切なのかなあと思っています。
私たちが何日もかけて一人一人の技術者を指導するというのはなかなか大変ですが、丁寧で正確な伐倒を意識して木を伐った場合、どこまで正確な作業が出来るのかを知っておくことだけでも研修として組み入れることが出来ないだろうか?
こんなことを考えながら、これからも練習を続けていきます。
〈本件に関するお問い合わせ先〉 林業総合センター指導部 TEL:0263-52-0600 FAX:0263-51-1311 メール:ringyosogo@pref.nagano.lg.jp
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