2015.11.26 [ 林業総合センター ]
林業架線作業主任者講習が終わりました
林業総合センター指導部です
いきなり小難しいタイトルに、これはいったい??と思われるかも知れません。
80%が森林に覆われている長野県ですが、深い谷や急峻な地形のために、道路がない場所もたくさんあります。こうしたところで木材を出すためには、ワイヤロープを空中に張って、組み立てた集材装置を使って、山の中から木材を集めてしまう「架線集材」が行われています。
架線集材では、道路近くに集材装置を設置し、山の中にワイヤロープを張り、山の中から道路の近くまで木材を運びます。架線集材は、離れた場所の木材を効率良く集める手法として有効ですが、離れた場所で複数の作業員が行動するため、一歩間違えると事故につながります。
このため、大きな機械や遠距離での架線集材を行う場合には、「林業架線作業主任者」を選任することが労働安全衛生法で義務づけられています。
林業架線作業主任者になるためには、「林業架線作業主任者免許」を持っていることが条件となります。
そこで林業総合センターでは、この免許を取得するための講習として、「林業架線作業主任者講習」を実施しています。
この講習は、厚生労働省労働基準局が定める講習として認定されているため、講習を修了すれば、実務経験2年で免許を受けることができます。
とはいえ架線集材は、集材装置の架設撤去や運転だけでなく、運材用のワイヤロープの組み立て、解体・掛け替え・修理など幅広い技術を習得する必要があります。
架線集材を行うのは、道路から離れた山奥であることが多いわけですから、ちょっとした修理くらいは自分たちでできる必要があり、架線集材の命とも言うべきワイヤロープについては、時間をかけて丁寧な実習を行います。
講習に参加する人は、架線作業の主任者を目指す人ばかりですから、講師が話をするだけではなく、自分でも手を動かしながら技術を磨いています。
今年の講習は、9月7日から11月13日までの14日間、林業総合センターに通って頂き、講義と実習でみっちり鍛えられましたので、講習の最後には、「4科目の試験」でも、不合格となる方はなく、全員が無事講習を修了することができました。
木材を育てる時代から使う時代に変わる中で、これからは道路から離れた場所の木材を活用することも多くなると思います。
架線集材を本格的に進めていく時には必要な主任者資格ですので、架線集材作業に携わっておられるような技術者の参加をお待ちしています。
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