信州森林づくり応援ネットワーク

あなたにちょうどいい森林との付き合い方を探す場所、それが「信州・森林づくり応援ネットワーク」です。楽しみ方を発見すれば、森林との距離はグッと縮まりますよ。信州には、森や山などの自然に魅了されている多くの人がいます。そんな人々が、きっかけのほしいあなた、つながりを求めているあなた、スキルアップしてみたいあなたをご案内します。信州の木を使った取組の話題もありますよ。

信州の森林づくり応援トークショー(後半)

<昨日からの続き>

昨日のトークショー前半の話題は ⇒ こちら


トークショー会場の後ろでは、アルクマとWAONが会場を盛り上げました

【話題4 森林の利活用について】

(阿部知事)
 私たちの身近な財産である森林を様々な観点で活用することが重要。観光の面では景観としての森林だけでなく、森林セラピーという観点も大事。森林の里親の取組も、県内にどんどん広めていきたいので、本日お越しの皆さんに頭に入れて帰ってほしい。木質バイオマスエネルギーについては、原発事故などを受けて関心が高まっており、普及を進めていく必要がある。

(ニコル氏)
 中国で講演をした際に、我々の森林の映像や音を会場に流したところ、それまで閑散としていた会場が満員になった。彼らは日本にあるような自然に飢えており、長野県の健康的な森やおいしいもの、暖かい心でアジアのお客さんを迎えてあげたらどうか。

(城土局長)
 国有林ではこれまで森林計画などを作る場合に、専門家や大学の先生などの意見を聞いて私たちだけで計画を立てるというきらいがあったが、最近はその反省の下にそれぞれの地域の皆さんの意見を聴きながら計画に反映することを心がけており、県民の方々に間伐などの効果をお見せするなどの役割や、人づくりのフィールド提供などの役割を国有林が率先して行っていきたい。

(香山氏)
 現在、搬出間伐を進めているが、特別なことをやるのではなく、このような生産活動を行うことで道ができ、その結果人が山の中に入りやすくなり、セラピーの認定を受けていなくても入りやすい環境の森林がどんどんできていく。森林整備することで樹種が増え、動物の種類が増える、そこに人が入って楽しめる、そのうちに木が育ってくるので利用する、林業はこのような循環をさせることができる仕事。

【質問コーナー】

(Q)
 上田市で松くい虫防除の空中散布が中止されているが、周りをみると随分赤茶色に変わった森林が増えている。このことをどう考えるか。

(城土局長)
 松くい虫対策で一番効果が大きいのは空中散布。アカマツが枯れるとマツタケが採れなくなり、生産農家にとっては死活問題。しかし一方で、子どもを育てる親からみれば、子どもが薬害を受けるのは嫌という問題がある。県に判断を求める前に、それぞれの地域で関係者が合意形成を行い、その中で歩み寄って結論を得ていく必要がある。

(阿部知事)
 空中散布をやるやらないは最終的には市町村の判断だが、一般的にこうだというよりは、それぞれの地域でリスクコミュニケーションをしっかりやって具体的に判断していくということ。長野県は化学物質過敏症の方々にとって暮らしやすい地域であることも重要であり、両者の価値をそれぞれの地域で調和させていくことが必要。市町村にも県のそうした考え方を整理してお示ししていく。

【話題5 来店者、県民へのメッセージについて】

(香山氏)
 我々は森林の価値をまだ一部しか知っていない。色々な方々の知恵をいただいて森林の持つ可能性をどんどん広げていきたい。我々はいわゆる木こりだが、木こりが仕事をすると木材を利用する人達の仕事を創ることもでき、新しいアイデアなども入れてどんどん新しい仕事を創っていきたい。

(城土局長)
 国際森林年は実質あと1カ月だが、その精神は来年以降も継続して意識していきたい。皆さんの周りには国有林の自然休養林があるので、このイベントをきっかけに森を歩いていただいて、森の良さを実感して欲しい。

(ニコル氏)
 2年前に黒姫にセンターを作ったが、長野県の材が集まらず九州や北海道から材を集めた。日本材は日本に合っているので、新しい学校や家などは日本材で造ってほしい。そうすれば、また昔のようなシステムが走れるようになる。

(阿部知事)
 長野県には10の部があるが、森林と関係している部が結構あり、県の行政のかなりの部分は実は森林の恩恵を受けている。同様に皆さんの暮らしも森林の恩恵を受けているはずであり、皆さん一人ひとりの暮らしの中に信州の木を取り入れていただくなどしてほしい。そのことで、長野県の森はますます元気に、我々の暮らしもますます元気になる。

(大岩氏)
 本日のイベントをきっかけに、聞いて下さった皆さんが、少しでも森に行ってみよう、地元産の木材を使ってみようという気持ちになってくれれば幸い。

【了】

<本件に関するお問い合わせ先>
林務部森林政策課企画係
TEL:026-235-7261
FAX:026-234-0330
メール:rinsei@pref.nagano.lg.jp

このブログのトップへ

このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら

林務部 森林政策課
TEL:026-235-7261
FAX:026-234-0330