2011.12.26 [ 長野県の森林政策 ]
H23林務部重大ニュース①
<平成23年林務部重大ニュース>
林務部は毎年の年末に、その年に部が行った主な取組、部が関係する主なできごとを、「林務部重大ニュース」として公表しています。
平成23年分について、本日プレスリリースしましたので、本年最後の話題として、本日から3回に分けて、その内容をご紹介いたします。
【1月1日】2011年は国際森林年
2011年は、世界中の森林の持続可能な経営・保全の重要性に対する認識を高めることを目的に、国連によって定められた「国際森林年」でした。
日本におけるメインテーマは「森を歩く」で、森林に対する理解の入り口として、誰もが容易に参加できる「歩く」という行動を提案しているものです。
長野県においても、11月23日に開催された「みんなで支える森林づくり感謝デー2011」をはじめ、各種イベントや広報媒体で国際森林年を周知しました。
【2月8日】「水源林・水源・地下水保全対策部会」を設置
水源林及び水資源の保全について広い観点で研究するため、企画部、環境部、農政部、林務部、建設部による横断的組織として、「長野県水環境保全対策会議幹事会」に、「水源林・水源・地下水保全対策部会」を設置しました。
当面の研究項目として、水源林・水源・地下水の規制や保全対策の現状把握、現行制度の不十分な場合の対応方法の検討などを行うこととしており、現在、研究成果についてとりまとめを行っています。
【3月12日】栄村中条川で大規模な山腹崩壊が発生
長野県北部地震により、震源に近い栄村中条川では大規模な山腹崩壊が発生し、大量の崩壊土砂が谷を埋め、せき止めによる湛水池が出現するなど、下流集落に土石流のおそれが生じました。
この災害は、大規模で危険度が高く、対応の難しい国内でも例の少ないものであることから、学識経験者等から構成される「中条川上流災害対策検討委員会」を立ち上げ、検討を進めています。
現在、治山事業、砂防事業が連携して対策工事を進めていますが、大型の治山ダムには現地発生土砂を中詰めに利用して工期短縮を図る「セルダム」と呼ばれる珍しい工法が採用されています。
【4月1日】ニホンジカの捕獲対策を重点的に推進
県内に約10万5千頭が生息すると推定され、未だ生息域を拡大しているニホンジカによる農林業被害は依然として高止まり傾向にあり、平成22年度には約5億4千万円余の甚大な被害が発生しています。
3月に策定した「第3期特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ)」では、前期計画の年間捕獲目標8千3百頭を大幅に見直し、毎年3万5千頭(H23のみ2万5千頭)のニホンジカを捕獲することとしました。
この目標達成に向けて、隣接県・市町村が連携した広域捕獲の実施、集落ぐるみの捕獲の促進等を実施するため、本年度から全地方事務所に「鳥獣対策専門員」が配置されました。
<その他取組>
・シカと狩猟を考えるシンポジウム(7/30)
・ニホンジカ捕獲対策研修会(8/30~31)
【4月1日】県産材利用推進室を新設
昨年11月に改定した「長野県森林づくり指針」の基本方針のひとつである、「木を活かした力強い産業づくり」を、強力に推進していくため、林務部に「県産材利用推進室」が新たに設置されました。
室は、室長、林務技術職員3名、事務職員1名、建設部技術職員1名の計6名でスタートし、4月当初から震災被害のあった栄村に県産合板を支援するなど、県産材に係る多岐に渡る課題に対し、力を合わせ現在も奮闘中です。
【4月1日】「森林管理・環境保全直接支払制度」が導入
本年度から公共造林の補助制度を抜本的に見直した、「森林管理・環境保全直接支払制度」が始まり、これまでの個々の森林施業に対する支援から、集約化され5ha以上の間伐実施個所で10m3/ha以上の木材搬出をした場合に補助対象となる等、新たな補助制度としてスタートを切りました。
県内の森林組合や林業事業体等は、森林所有者への積極的な働きかけを行い、施業地の集約化や路網整備を進めるなど、効率的な搬出間伐による低コストで儲かる林業を目指して奮闘しています。
「平成23年林務部重大ニュース」のホームページは こちら
<本件に関するお問い合わせ先>
林務部森林政策課企画係
TEL:026-235-7261
FAX:026-234-0330
メール:rinsei@pref.nagano.lg.jp
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