来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

松本市本郷地区山火事から23年後の状況

林務課のIです。今から23年前の平成14年(2002年)3月21日に松本市本郷地区(浅間温泉)で山林火災が発生し、約170haの森林が焼失しました。長野県では戦後2番目の大規模な山火事でした。
出火原因はお墓参りの線香の火が山に燃え移り、強風により大規模に延焼したと推定。
また、発生時期が3月ということで、冬から春にかけての空気が乾燥し、落葉もたくさんあり、かつ強風も吹いていたという条件が重なり、山火事が起きやすい状況であったと思われます。
現場から6キロ離れた松本合同庁舎からも山火事の炎がはっきり見えるほどの火災でした。

【松本合同庁舎から見た山火事の状況】

消防団や各県からの応援の防災ヘリによる消火活動により2日後には鎮火しましたが、火災後の山のアカマツは焼けて枯死し、林内の下草は全て燃えてなくなり、山肌がむき出しになった状態となりました。

【焼けた木とむき出しになった山肌】

【下層植生がなくなり落石の危険性が高まった林内】

 

火災により荒れた山を再生・復旧するためには枯死木の伐採処理や森林造成(樹木の植栽)が必要となりますが、国・県の事業だけでなく地元やボランティア団体のご協力のもと樹木の植栽が行われ徐々に森林の回復が進みました。

【山火事発生から2年後の状況(焼けて枯死した木は伐採され森林の再生に向けて植栽を実施)】

しかし、同時に植生が消失したことにより大雨による土砂崩壊のリスクが増大、またこの区域は転石が多く樹木が無くなったことによる落石が発生する危険性が増大したことから、落石防護柵や谷止工などの治山工事(落石・土砂災害防止対策)を同時に行いました。

【落石防護柵工の実施】

あれから23年が経過した今、どうなっているかと思い現場を見に行ってきました。

 

浅間温泉街から少し山に入ると広葉樹林へと生まれ変わった山が見えてきます。
ホタルの里駐車場付近から遊歩道を進み山に入ると、直径10センチほどに育った広葉樹が生い茂っていました。

 

火災直後に設置された落石防護柵工も、よく見ないと気付かないほど山に溶け込んでおりますが、今でもしっかり機能しています。

樹木が大きく育ち、木の根がしっかり地面を掴んでいてくれるおかげで、斜面の崩壊や、落石災害を防ぎ、山のふもとに住む方々の生活が守られているのかなと感じました。



  

地域の方の手により整備された遊歩道は非常に歩きやすく、展望ポイントから眺める松本市の景色も絶景ですので、ぜひ復旧・再生された森林の回復力を感じつつ、森林散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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