2024.12.14 [ 自然・観光地安曇野市松本農業農村支援センター ]
あなたの畑の“土”はどんな色?
みなさんこんにちは!
農業農村支援センターのAです。秋の農繁期も終わり、寒い季節となりました。農家の方は来年に向けてどこで何作ろうかな?と考え始める時期でもあるかと思います。
そこで、今回はみなさんの足元に広がる「土」にスポットを当てたいと思います。その畑の土がどんなタイプなのか、土壌図を使って特徴を見てみましょう。
(※ほ場の立ち入りと調査にあたっては管理者の同意を得て行っています。)
まず「土壌図」についてです。
国の研究機関である農研機構が「e-土壌図」というアプリを出していて、無料で利用できます(パソコンでも見られます)。インターネットの検索タブに「土壌図」と入れて検索してみましょう!
URLはこちら☞ https://soil-inventory.rad.naro.go.jp/
下の図は安曇野市一帯の土壌図を表しています。
青色、茶色、水色・・・色々な色がありますね!色が違う場所は土のタイプが違うことになります(後段で少し触れます)。
では、安曇野市内のとある2つの地点(青色と茶色)の土について見ていきましょう。
① 青色のエリア
まず、土壌図の青色のエリアです。三郷~豊科、穂高にかけての水田が広がっているエリアですね。土壌図をタップするとその特徴が見られます。実際に見てみると・・・「灰色低地土」と出てきます。さらにタップすると詳しい説明も見られます。以下がその様子です。
では、実際に現場に行ってみましょう!
左の写真は断面の、右の写真は土の様子です。土の色は灰色っぽく、砂っぽい印象を受けます。さらに下の方には小石もありますね。
② 茶色のエリア(穂高地区の一部)
次に、茶色のエリアです。安曇野市では穂高地区の山際の地域にあたります。土壌図では「黒ボク土」となっています。では、アプリの説明を見てみましょう。説明を見ると・・・腐植が多いようですね。
では、現場に行ってみましょう!
さきほどの灰色低地土に比べると色が黒っぽいですね。土の感じも砂というよりはふわふわしたような柔らかい印象を受けますね。
では、この2つの土は何が違うのか。今回はその一例をします。下の図をご覧ください。
土壌分析の中で「CEC」という項目があります。CECは土の保肥力(肥料の養分を土がどのくらい持てるかの能力)を表す目安とされています。図のように土の粒子はマイナスの電気を、畑に撒いた肥料の養分はプラスの電気を持っていて、両者は手をつなぐ関係で表すことができます。CECの数値が高い土(保肥力の大きい土)は手の数が多く、肥料成分を多く持てるので、肥料持ちがいい土と言えます。そして、このCECは土壌に含まれる腐植等、有機物の含まれる量で決まってきますので、土のタイプを把握することが重要です。
今回の場合、黒ボク土と灰色低地土を比較すると、「黒ボク土(茶色のエリア)」の方が肥料持ちが良い土と言えます。肥料持ちの観点から、施肥の一般的な考え方が以下の通りです。
〇黒ボク土:肥料持ちが良いため、施肥の過剰は養分が残る可能性がある(石灰肥料により酸度矯正が必要な場合があることやリン酸分が効きにくい等他の特徴もありますが、今回説明は省略します)。
〇灰色低地土:土に養分を保持する能力が低いため、1度の施肥量は少なく、追肥に重点を置く。
いかかでしたか?
畑の土のタイプによって施肥の考え方も異なってきます。事前に土のタイプがどんなものか知っておくことは大切ですね!判断する材料として「土壌図の“色”」と現場の「土の“色”」の両方の”色”を見てみましょう。
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