こんにちは、農地整備課のOです。
「環境にやさしく」をモットーに生活しています。
県が進めている「ほ場整備事業(農地の再整備)」の実施にあたり、現地に自生している長野県版レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類のアマナを保護するため、朝日村大字小野沢本郷集落の地域の方々等と協力して移植作業を行いました。
アマナ(学名:Amana edulis)
・単子葉植物ユリ科アマナ属の多年草
・長野県版レッドリスト(維管束植物)2014絶滅危惧Ⅱ類
・春の花の中でも特に早く咲くものの一つで、白い小さな花を付ける。
【背 景】
田園風景に彩を添えるアマナは本郷集落において古くから愛されてきた花の一つです。この花を「次の世代にも残したい」という思いから、本郷集落より移植の要望が上がり、関係者に声を掛けたところ多くの方々に協力していただけることになりました。また、私の所属する職場には地域の中に飛び込んで一緒に汗を流し体験することを目的とする「手作り農村応援隊」というチームがあり、今回の移植もお手伝いすることとなりました。
【作業内容】
自生地にあるアマナの球根を掘り起こし、苗ポッドに移し、工事範囲外の生育に適した場所に移植します。
当日は雨混じりの天気でしたので、作業は大変でした。(誰の行いが悪かったのでしょうか。)
移植は花が落ちて、球根に力を蓄えるこの時期が適しているそうです。当日の雨も移植には良いそうです。
自生地の土を掘り起こし、球根を探します。「のびる」等の類似しているものもあるため、慎重に選別します。
大きさは小指の先程度です。
集めた球根を移植します。
この場所は山野草の「かたくり」も自生しており、近親の「アマナ」にも適した環境です。
来年の春先にはアマナの「白」とかたくりの「紫」のコラボレーションが期待されます。
作業終了です。
雨混じりの中、お疲れさまでした。
球根の一部は地元の方々が持ち帰り、生育地を広げていただけるそうです。
地元の人達は希少種だから移植するのではなく、地域で大切に思っている花だから移植するとのことでした。
アマナへの愛を感じました。
本郷集落の皆様、朝日村役場の皆様、地元建設業者の皆様、ありがとうございました。
【余 談】
都会に住む大学時代の友人が長野県に遊びに来た時の会話から
~私が担当したほ場整備事業実施地区周辺にて~
〔友人〕
「古しからある田舎の田園風景は癒されるね。田んぼの緑は特に良い!」
〔私〕
「・・・・そうだね。」
長野県のほ場整備率は約86%(R2時点)であり、昭和の終わりから平成の初めにかけて整備されたものが大半を占めます。実はそんなに古くありません。(更に、友人が見た田んぼは令和3年度完了地区です。お前の目は節穴か!)
日本昔話に出てくるような古田(こでん)と呼ばれる古い田んぼもありますが、観光面での棚田など、付加価値のある田んぼ以外は維持管理、生産性、後継者不足等の理由から耕作放棄地となる傾向があるようです。
農業振興のためにはほ場整備事業はとても意味もある事業だと感じると同時に、田園風景を損ねない工夫も重要であり、これから始まる朝日村の本郷集落での工事にも配慮していきたいと思います。
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