2015.10.28 [ 松本建設事務所 ]
建築における防耐火規制と木材利用
松本地方事務所建築課です。秋も深まってきましたね。
地域の保育園では、枯葉を集めてたき火をし、焼き芋大会を開催しているようです。
楽しくイベントを行うためにも、火災には気をつけなくてはいけませんね。
さて、みなさんは、木造の建物は火災に弱いと感じますか?
鉄筋コンクリート造等他の構造の建物と比べて、木造は火災に弱いのでしょうか?
先日、「建築における防耐火規制と木材利用」をテーマとした公開講座に参加してきました。
講師の方は、木造の学校を実物大サイズで造り、燃やす実験を多くされている方で、実物大の
学校を造り燃やすことで、木造建築物の火災に対する規制等を研究されているそうです。
その実験結果の様子は、国土交通省技術政策総合研究所のHPに動画で掲載されています。
地震を体験されたことのある人に比べ、火災を体験されたことのある人は少ない(建物内部で
火災を体験したことのある方はさらに少ない)ですよね。
火災発生のメカニズムを知るためにも、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
火災は、①収納可燃物(持ち込まれた家具や荷物)、②内装、③構造躯体の順に燃え広がります。
それぞれに対する法的規制は、
①収納可燃物の規制は難しいので、出火予防や初期消火等の防火教育をする。
②内装は、着火しにくくする(内装制限)規制をする。
それにより、着火防止性能、発熱・発煙防止性能につながる。
③構造躯体をゆっくり燃えたり燃えなくする(準耐火構造、耐火構造)規制をする。
それにより、延焼防止、崩壊防止につながる。
とのことでした。
持ち込まれた収納可燃物から内装に延焼し、構造躯体が燃えるという順で火災は発生します。
また、一般的な木造住宅に持ち込まれる収納可燃物は建物全体の1/3程度の重さになるようです。
私たちは沢山の可燃物に囲まれて暮らしているのですね・・・。
収納可燃物の量は建物の構造が木造でも鉄筋コンクリート造でも住む人によって変わります。
内装も建物の構造に関係無く採用されることも多いです。
そう考えると、建物の火災への強さは単純には考えられないのかもしれないですね。
(会場の安曇野市役所。RC造で内装に木材を使用)
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