こんにちは、農地整備課の米之助(こめのすけ)です。
今回は、松本市波田で進む排水路の工事現場で、地下十数メートルに完成した排水トンネルを調査してきました。
松本波田地域を流れる波田堰は、梓川右岸の段丘上の田んぼや畑に農業用水を運ぶ水路ですが、大雨の際には降った雨水を受け入れる排水路としての役割も担っています。

松本市波田といえば、全国ブランドの「すいか」の産地ですね。
今年の夏も各地の豪雨災害のニュースに触れる機会が多くありましたが、この地域でも、平成16年10月の台風23号豪雨や平成18年7月豪雨の際には、波田堰から雨水が溢れ、すいか畑や市道の冠水、住宅地の床下浸水などの被害がありました。
大雨対策のため、県松本地域振興局では全長3.1キロメートルの排水路工事を行っていて、すいか共選所の辺りから波田堰の水路幅を広げ、流せる雨水の量を増やす工事をしてきましたが、中流区間は、国道158号、松本電鉄、住宅などの都市機能が集中していて、水路幅を広くすることが難しいことから、地下にバイパス水路の建設を進めています。

工事が終わった波田堰(共選所近くの水路は断面が広くなっています。)
バイパス水路のうち、排水トンネル(内径2m、848m)は令和5年度に完成しています。
10月3日には関係する土地改良区の皆さんによる完成したトンネル内部の調査が行われましたので、その様子を報告します。

発進立坑(トンネル下流側)の仮設足場を降りて、いよいよ調査開始です。

懐中電灯を手に入口から突入します。

トンネル内部で説明を聞いています。(国道158号付近の地下)

到達立坑(トンネル上流側)に着いて、チョット休憩中です。
バイパス水路のうち、残りの耐圧ポリエチレン管(内径2m、約800m)の埋設工事は、令和7年から令和8年まで計画されています。
工事の際には、通行規制などご不便をおかけしますが、ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
また、波田地域に降った雨水が、安全に梓川まで流せるようになるまで、もうしばらくお待ちください。
(補足)排水トンネルは、シールドマシンで造りました。

シールドマシンとは、地中を掘り進みながらトンネルを造っていく機械のことで、鋼鉄の筒状のシールドマシンの先端には、カッタービットと呼ばれる盤面が取り付けられていて、これが回転して土を削りながらマシンを前方に押し出します。

シールドマシンの後ろで、セグメントと呼ばれる3分割のブロックが円筒状に組み立てられて、トンネルの壁になります。
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