来て!観て!松本『彩』発見 歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

来て!観て!松本『彩』発見

歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

梓川隧道に入ってきました!

農地整備課のKです。

長野県梓川土地改良区主催の梓川隧道内部の見学会に参加しました。梓川隧道といっても目的が何で、どこにあるのかご存じの方は少ないと思いますので、まず下の地図をご覧ください。

これは長野県梓川土地改良区(農業生産の基盤である農業用水路などの土地改良施設の維持管理を担う組織)の用水エリアと主な施設を表しています。
中信平の農地は、梓川の水により潤っていますが、梓川からは頭首工と呼ばれる施設により取水し、網の目のように張り巡らされた用水路により、梓川の右岸・左岸の農地に配られています。
梓川隧道は、梓川頭首工から取水した水を下流に送る最上流の施設となっていて、扇状に広がる農業水利施設のまさに要といえる重要な施設です。
皆さん、見つけられましたか?

これが、梓川頭首工です。現在の施設は、国営中信平二期農業水利事業により平成21年に造成された施設で最大およそ44m3/sの農業用水を取水する日本屈指の施設です。
そして、いよいよ梓川隧道の内部に突入です。
あ、そうそう。なぜ普段は入れない隧道の内部に入れるかというと、毎年非かんがい期のこの時期に3日間取水を止め、施設の点検を行うからです。施設の点検を行いその結果により適切に維持管理することが、土地改良区の重要な任務だそうです。
この貴重な期間に、見学会まで開いていただき感謝・感謝です。

この写真は、梓川隧道の上流側入口です。人と比べるとそのスケール感が伝わるでしょうか。

内部はこんな感じです。
この隧道は昭和25年に完成した歴史あるものですが、老朽化の進行に伴い先述した国営中信平二期事業により平成18・19年に補強工事が行われ現在のような姿になっています。
隧道の延長はおよそ2km。内部はわずかにカーブを描き水の流れに配慮されています。

天井にあるのは、モモジロコウモリの休憩場所(コウモリピット)だそうです。
この日はあいにく出会うことはできませんでした。

トンネル内を歩くこと、およそ40分。いよいよ出口が近づいてきました。
出口は7mぐらいの垂直のハシゴを登ります。

隧道を出るとすぐ下にはこんな施設がありました。


おわかりでしょうか。なんとこれ、水力発電所なんです。昭和電工㈱さんの発電所で、稼働してからおよそ70年とのこと。農業用水の一部を使用し発電し、発電し終わった水も下流で農業用水として利用されています。そして昭和電工㈱さんは梓川隧道などの施設の維持管理を土地改良区と連携して行っています。なんてすばらしいことでしょう。

さて、見学会の最初のあいさつ、長野県梓川土地改良区の理事長、上條信太郎さんのことばが印象に残りました。

「中信平10,000haの農業を支えている施設の重要性を知ってほしい。」
「地震などの災害で施設に被害が及ぶと中信平の農業生産がストップする。」
「昔は農業用水と生活用水が一体であったため、ほとんどの人々が水の大切さを実感できていた。しかし現在は、水の重要性や水を引くための日々の努力を知る人は限られている。未来を担う若い人々にぜひ水の大切さを知ってもらいたい。」

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