智術の士は事実をはっきりと見抜き、君主に重用されれば、重臣の不正な悪事・私利私欲を照らして世に明らかにしようとする。能法の士は意思堅固であり、君主に重用されれば、重臣の間違った不正な行いを正そうとする。故に、智術・能法の士が採用されれば、重臣は必ず何らかの不正をして法の網にひっかかる。これは智術・能法の士と権勢を誇っている重臣とが、両立することができない仇敵である事を意味している。

 　さて、10日（月）上伊那管内８市町村長等の賛同をいただいて「上伊那木質バイオマス利用推進協議会」が設立されました。前回その８５で１日（土）に開催された「伊那谷木質バイオマスシンポジウム」の記事でも記したとおり、木質バイオマス利用の先進地域である上伊那で、公共建築物等への積極的な導入を進めるとともに家庭や農業用施設等にも利用を拡大していくために、当所林務課に事務局を置いて、管内市町村、ペレット製造事業者である上伊那森林組合や薪の供給事業者などと連携を強化して、更なる木質バイオマスの利用促進を図ろうとするものです。

　設立総会記念講演会で、大場龍夫氏（（株）森のエネルギー研究所　代表取締役）から「木質バイオマス利用の最新動向と導入のヒント」の講演をいただきました。

　11日（火）リニア実験線等の視察のため、安藤リニア推進担当部長ほかリニア推進振興室、上下伊那の現地機関の総勢２０名で山梨県を訪れました。

　リニア中央新幹線の山梨県駅予定地に隣接する山梨県工業技術センターで山梨県リニア交通局リニア推進課長　岡雄二氏から山梨県の取組状況について説明をいただきました。山梨県駅は県央（県庁から約８ｋｍ）の山梨市に位置し、これまで空港や新幹線がなかったことなどから、県主導でおよそ２４ｈａの駅周辺整備と中央自動車道へスマートインターチェンジ新設などのアクセス整備により全県への波及効果を生み出す方針であるとのことです。

　　都留市にある山梨リニア実験線とリニア見学センターも視察しました。山梨県内走行距離８３ｋｍの内、４２．８ｋｍに延長された実験線で昨年８月から走行試験が再開されており、当日は、ちょうど７両編成による走行試験中で、この４月にオープンした新館「どきどきリニア館」から時速５００ｋｍ走行の様子や世界最高速度５８１ｋｍを樹立した実験車両ＭＬＸ０１－２の展示などを見学させていただきました。

　１６億円かけて整備し開館以来７か月で２０万人が来場したという「どきどきリニア館」は見学者で混雑しており、リニア原理の解説、液体窒素ガスで冷やした磁石での超電導コースターの実験など、興味は尽きません。実際のリニア車両は液体ヘリウムでマイナス２６９度まで冷やした磁石で超電導を生み出すのだとのことです。この技術が近い将来、リニア新幹線沿線地域の住民のしあわせに繋がるよう期待します。

　視察１時間では時間が足りず消化不良気味となりましたが、同日夕方には中川村でＪＲ東海による住民説明会が開催され、住民の皆さんからトンネル掘削に伴う発生土の運搬などにより生ずる生活環境の悪化を心配する声が多く出されています。住民意見に真摯に耳を傾け、環境保全対策に万全を期してほしいと願うところです。

　飯田市に建設予定の長野県駅については、１０日開催されたリニア駅周辺整備基本構想検討会議において飯田市から飯田市上郷飯沼北条地区の７．８ｈａの範囲で整備する方針が示されたとのことです。今後、長野県も山梨県と同様に、土地利用調整、都市計画決定など様々な法令をクリアしながら本線はじめ駅周辺整備などに伴う手続きを進めていく必要があります。

　「勁直に咲く菊」の如くに

　　法術の限りを菊の新花かな　　青巒

　　数奇なる花の成し得たる侘び　　朴翆

　　くれないを願う我が身や残り菊　　青巒 

今週の結びは、愚良子先生が詠んでいるこの句です。

「春日愚良子句集」から

　秋深し終ひには立話となり　　愚良子

11月15日（土）地域づくりネットワーク長野県協議会主催による